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【栃木】

謎多き名横綱 栃木山の足跡 栃木翔南高講師・板橋さん出版

横綱昇進から100年に合わせて出版された「探訪栃木山」

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 大正時代、大相撲で9度の優勝を飾り、名横綱と呼ばれた栃木市出身の栃木山(1892〜1959年)。1918年の横綱昇進から100年の節目に合わせ、1冊の本「探訪栃木山」(随想舎)が出版された。多くを語らず、入門から引退まで、謎が多かった栃木山の足跡をたどっている。著者の栃木翔南高校(同市)非常勤講師の板橋雄三郎さん(65)は「郷土に偉大な力士が存在したことを知ってもらえれば」と話す。 (原田拓哉)

 栃木山は一九一〇年に入門し、初土俵は一一年。スピード出世し一七年に大関に昇進し、その年に初優勝。一八年、横綱に上り詰め、二五年に引退するまで九場所で優勝した。

 引退後は名門春日野部屋を創設した。春日野部屋の所属力士は、今もしこ名に「栃」が付く。

 結婚後、間もなく家を飛び出して角界入りしたことや、突然の引退表明など、土俵を下りると多くを語らず、謎に包まれた力士の一人だった。

 板橋さんは、現役の高校教諭時代から、地元力士を丹念に調べていた。「探訪栃木山」では、前妻の娘や栃木山の弟子など、多くの関係者を訪ねて、謎にも迫っている。

 「探訪栃木山」は、子どものころの怪力ぶりを紹介した「なんであんなに力があったものか」や、横綱になってからの姿に迫った「近代相撲を築き上げ」などさまざまなテーマで構成。

 「欧米漫遊」では、栃木山が引退後、欧米を旅行し、現地の日本人会などの歓迎会に参加したエピソードなどを紹介。パリ滞在中には、画家藤田嗣治や同じ栃木市出身の画家清水登之(とし)らとも交流を重ねた。藤田は「横綱栃木山の像」も描いている。

 藤田の作品や交流風景などの貴重な写真は、「探訪栃木山」の口絵を飾っている。

 板橋さんは「大正時代は、相撲のラジオ放送がなく、栃木山は地元でも活躍があまり知られていなかった。温厚な性格で、相撲界では人格横綱とも呼ばれていた」と話す。

 「探訪栃木山」は二千五百円(税別)。県内の主な書店や栃木市内の観光施設などで取り扱っている。

◆化粧まわしや直筆墨書など 31日から企画展

 栃木山ゆかりの品々を通じてその生涯を振り返る特別企画展「横綱昇進100年 無敵横綱 栃木山ものがたり」が31日、栃木市万町のとちぎ蔵の街美術館で始まる。

 栃木山が使った豪華な化粧まわしや手形、信条としていたとされる「不撓(とう)不屈」の直筆墨書、交流があった同郷の画家清水登之との写真など約50点を展示する。9月24日まで。

 関連行事として、「探訪栃木山」の著者・板橋雄三郎さんが8月4日午後2時〜3時半、同市旭町の栃木文化会館で講演する。先着順に定員400人。 (高橋淳)

 

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