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【栃木】

今市女児殺害 二審も無期 当時の校長「一つの区切り」

 二〇〇五年の今市市(現日光市)小学一年女児殺害事件で、東京高裁は三日、勝又拓哉被告(36)にあらためて無期懲役の判決を言い渡した。事件発生時、殺された吉田有希ちゃん=当時(7つ)=が通っていた市立大沢小学校の校長だった大根田民雄さん(71)=同市=は「一つの区切り」と判決を受け止めた上で、「有希ちゃんが戻ってくるわけではない。今はただ静かに、ご冥福を祈りたい」と語った。 (高橋淳)

 〇七年春に定年退職した後も、捜査や裁判の行方に注目してきた。この日も午前十時半の開廷時間に合わせて自宅のテレビの前で待ち、まもなく無期懲役判決の報に触れた。〇五年十二月の事件発生から十二年八カ月。ほっとした一方で「あまりに長い時間がかかった」とやりきれない気持ちにもなったと明かした。

 有希ちゃんのことを「運動が得意で頑張り屋さんだった。持久走が速かった」と振り返る。下校中に行方不明となった十二月一日は学校に泊まり込み、翌日に遠い茨城県の山林で遺体が見つかったときには、言葉を失った。それは今でも忘れない。

 年月とともに、地元で事件が忘れられつつあると感じたこともあったが、自身の心の中には、ずっと事件があった。特にニュースで幼い子どもが犠牲になる事件に接するたびに、当時の記憶と重なった。

 毎年十二月一日には、市内にある有希ちゃんの墓に手を合わせている。線香と花を供えて「事件が早く解決しますように」と願ってきた。

 今年はその日を待たずに、なるべく早く東京高裁の判決を墓前に報告するつもりでいる。被告側はこの日上告したが、「事件が決着するまで、ご冥福を祈り続けたい。それが私の務めだと思っている」と話す。

◆知事「のびのび遊べる環境に」

 福田富一知事は三日の定例記者会見で、小一女児殺害事件についてあらためて所感を問われ、「引き続き子供たちが安全に通学でき、地域の公園でのびのびと遊べるような環境づくりに取り組んでいきたい」と、安全な地域づくりへの決意を示した。

 福田知事は「事件以来、県内に防犯パトロール隊などが数多く立ち上がり、子供たちの安全を守ろうという機運が高まった」とも指摘した。

 このほか、日光市の大嶋一生市長も談話を発表。「あらためて亡くなられた吉田有希ちゃんのご冥福をお祈り申し上げる」とした上で「二度とこのような事件が起こらないよう、地域や学校などと連携し、引き続き安全で安心なまちづくりに取り組む」と強調した。 (北浜修)

 

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