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【栃木】

<11日に考えた>「デコ巻きずし」で元気に 「心の復興」応援し続ける

「たかたのゆめちゃん」をモチーフにした巻きずしを手にする川井ゆかりさん=矢板市で

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◆東北の被災地で教室開催・矢板の川井ゆかりさん

 矢板市安沢の整体師川井ゆかりさん(53)は、東日本大震災から5年後の2016年以降、東北の被災地で「巻きずし教室」を開いている。全国に広がった「復興支援の輪」が薄らいでいると感じたことから、断面の絵柄が楽しい「デコ巻きずし」を教える資格を取り、現地に足を運んで笑顔を届けてきた。今後も地道に「心の復興」を応援する。 (原田拓哉)

 川井さんが初めて被災地と関わりを持ったのは、震災直後。母親の渡辺瞳さん(74)が代表を務める地元のボランティアグループ「安沢ほほえみ会」のメンバーの一人として、避難所に米やタオルなど救援物資を届けた。

 物資の提供は、避難所から仮設住宅へと、その後も続けた。届ける物資も皿、洗剤、ランドセルとさまざま。直接、現地に運んだ。

 ボランティアグループで、被災地を応援しようとバスツアーも企画した。民宿に泊まり、特産物を購入する。一一年秋、初回の参加者は二十五人だったが、今年五月には四十八人に膨らんだ。

 一方で、川井さんは震災から五年となる一六年三月以降、立ち寄った被災地の道の駅などで、県外ナンバーの車が急減しているのが気になった。以前は駐車場をぎっしり埋めていた。

 「支援の輪が、薄らいでいる」。そう感じた川井さんは、「心の復興」を支援しようと、一六年六月、「デコ巻きずし」を教えられる日本デコずし協会(東京)認定マイスターとなった。年に数回、宮城県気仙沼市や岩手県陸前高田市の児童館などを訪問し、子どもたちなどを対象に教室を開いている。

 川井さんが創作する巻きずしは、子どもたちに人気の「ペンギン」「クマ」などのほか、陸前高田市のキャラクター「たかたのゆめちゃん」をモチーフにしたオリジナルも。

 「巻きずしは、包丁で切った瞬間、みんなが『ワァー』と元気になる。明るさが広がる」

 巻きずしの普及などに取り組む「MAKIZUSHI倶楽部(くらぶ)」(広島市)からは、本年度の「巻寿司(ずし)大使」に委嘱された。倶楽部から食材が定期的に提供され、被災地での活動の幅も、さらに広がる。

 食材には、県内特産のカンピョウもふんだんに活用して、栃木の魅力も発信している。

 川井さんは「被災地には縁もゆかりもなかったが、今では第二のふるさとのような思い。心の復興のために取り組んでいるが、現地の漁師さんやボランティアなど、さまざまな人との出会いがあり、自分にとっても大きな財産になっている」と話す。

 

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