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【栃木】

<お宝拝見! @栃木、群馬、茨城> 那須町・那須オルゴール美術館

19〜20世紀のオルゴール約100点を展示する那須オルゴール美術館=いずれも那須町で

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 オルゴールの音にオルガンやドラム、ベルの音色が重なった、軽快な調べが奏でられる。目を閉じれば、生演奏を間近で聴いているように感じる。

 くし状の金属板を弾(はじ)いて音を出すオルゴールの基本構造に楽器が組み込まれているため、重層的な音色を生み出す。「オルゴールに玩具のようなイメージを持っている人も多いかもしれませんが、複雑な構造も多い」と、支配人の越口将也さん(29)が説明する。

「インターチェンジャブルシリンダーオーケストラボックス」を動かす越口さん

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 パリの銀行から移設された重厚な門をくぐって展示室に入ると、そのオルゴールがある。名称は「インターチェンジャブル シリンダー オーケストラボックス」。ローズウッドのケースが美しい。一八六〇年代にスイスで作られた逸品で、円筒が回転して金属板を弾く「シリンダー式」。円筒をずらしたり交換したりすれば二百曲の演奏が可能で、その曲数などから世界最大級のシリンダー式オルゴールと称される。

 美術館は、戦後にオルゴールを収集した歯科医師、故・佐藤潔さんのコレクションを中心に紹介する施設で、親族が没後十年の一九九二年に開設。十九〜二十世紀に製造された約百点を展示する。ビゼーの「カルメン」やワーグナーの「タンホイザー」など欧州の楽曲を奏でる機種がほとんどだが、日本の遊び歌の品もある。

 展示品は手で触れることはできないが、午前十時〜午後四時(八月は同五時)の毎正時から二十分間、職員がいくつかのオルゴールを動かす。それぞれの特徴も説明してくれる。

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 「音の広がりを感じて」と案内しながら職員が「ディスク式」のオルゴールのゼンマイを巻いた。ディスクの表面の突起で強く金属板を弾くため、シリンダー式より音に迫力がある。

 来館者の多くは音色の違いを感じ取ろうと、目を閉じて耳を傾ける。子どもたちは、組み込まれた楽器が自動で打ち鳴らされる様子をのぞき込んで楽しんでいた。

 オルゴールはディスク式の考案から間もなくして登場する蓄音機に、主役の座を奪われる。人々の暮らしの変遷を表現した全長九メートルのジオラマで、こうした歴史を分かりやすく紹介している。ゼンマイを動力にした人形「オートマタ」の数々も見応えがある。

 越口さんは「アンティークにこだわって展示しているのが当館の特徴。オルゴールの多様さはあまり知られていない。本物の音色を感じてほしい」と来場を呼び掛けている。 (小川直人)

<那須オルゴール美術館> 開館は午前9時半〜午後5時(8月は同6時)。1〜3月を除き無休。入館料は大人1000円、中高生800円、小学生600円。手作りオルゴール教室(材料費1700円〜)の参加を随時受け付ける。東北自動車道那須インターチェンジから約15分。JR那須塩原駅か黒磯駅で東野交通バスに乗り、広谷地で下車後、徒歩2キロ。問い合わせは、同美術館=電0287(78)2733=へ。

 

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