東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 記事一覧 > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【栃木】

豪雨もたらす積乱雲 気象研究者が絵本で解説

積乱雲の成り立ちを物語にした絵本「せきらんうんのいっしょう」の一こま(荒木健太郎研究官提供)

写真

 気象庁気象研究所(茨城県つくば市)の荒木健太郎研究官(33)が、大雨や雷、竜巻をもたらす積乱雲の成り立ちを物語にした絵本「せきらんうんのいっしょう」(ジャムハウス)を出版した。西日本豪雨など積乱雲を要因とする災害を踏まえ「雲がどう発生し、どんな生涯をたどるかを楽しんで知り、防災意識を高めて」と思いを込める。

 空に高くそびえる積乱雲は、冷気などが暖気を持ち上げ、強い上昇気流が起きて発生する。

絵本「せきらんうんのいっしょう」を出版した気象庁気象研究所の荒木研究官=茨城県つくば市で

写真

 絵本では、暖かく湿った空気「だんきくん」の下に、冷たい空気「れいきくん」が潜り込む。だんきくんは目的意識がなく怠けていたが、れいきくんに「やればできる」と励まされて自信をつけ、高い雲になろうと伸びてゆく。

 積乱雲になったが、成長の限界に直面し、負の感情を雷雨として地上に吐き出す。弱った末にれいきくんになってしまうが、自身もれいきくんに持ち上げてもらった過去を思い出し、別のだんきくんに未来を託そうと立ち直る。

 目標を持てなかったり、達成できなかったりする現代人の日常的な悩みに、雲の変遷を重ねた。

 挿絵は、荒木さんが積乱雲の研究に行き詰まった時の落書きを基に、漫画家小沢かなさんが描いた。雲の形は成長に沿い正確に表し、気象学に配慮した。本の最後に、大人向けに、雲の解説や雨量分布を予測する気象庁のサービスを載せた。

 積乱雲は寿命が三十分〜一時間程度で、数キロから数十キロの狭い範囲で急発達する。多くの犠牲者が出た七月の西日本豪雨は停滞する梅雨前線に大量の暖気が流入し、多数の積乱雲が発生。広範囲で激しい雨が続いた。

 荒木さんは「空と絵本を見比べ、子どもにも、危険を告げる雲のメッセージに気付くようになってもらえれば」と話す。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報