東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 栃木 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【栃木】

文学者が戻る場所 浅草の魅力たどる 都内で企画展

凌雲閣(浅草十二階)が舞台の江戸川乱歩の小説を解説するコーナー

写真

 明治期から現代まで、浅草(東京都台東区)の風俗、文化、歴史と文学との関係に焦点を当てた「浅草文芸、戻る場所」展が目黒区の日本近代文学館(駒場四)で始まった。数々の文学者に愛され、川端康成、永井荷風らが「戻る場所」としてきた浅草の街の魅力に迫る。十月六日まで。

 浅草にまつわる物品の近くに、関連する文学作品や直筆原稿などをちりばめるビジュアルな展示。明治時代の人力車のそばには、浅草の人力車夫になった幼なじみに主人公が思いがけず再会する樋口一葉の小説「十三夜」のくだりを掲示した。

 戦後、ストリップ劇場の踊り子が着用した下着「バタフライ」(早稲田大学演劇博物館所蔵)も。近くに、楽屋に出入りしていた永井が浅草を取材して書いた小説「おもかげ」などを置いた。

 今年二月に遺構が見つかった展望塔「凌雲閣」(浅草十二階)の版画や錦絵、れんがを飾った一角も。建物は江戸川乱歩の幻想小説「押絵と旅する男」の舞台になっており、「ふるさとは〜」の詩で知られる室生犀星の小説「幻影の都市」で内部の階段を上り下りする場面が出てくることなどを説明している。

 高見順が通ったお好み焼き店「染太郎」に集った作家や、川端が題字を書いたタウン誌の月刊「浅草」を紹介するコーナーもある。

 主催は「浅草文芸ハンドブックの会」。中心メンバーの早稲田大教育・総合科学学術院の金井景子教授は「浅草を起点にすると、作家のいろいろな側面が見えてくる」と話した。二十二日午後二時からは、浅草の老舗洋食店「ヨシカミ」の女将(おかみ)で、朗読家の熊沢南水さんが「十三夜」をひとり語りする。その後、日高昭二神奈川大名誉教授(日本近代文学)と「働く場所、浅草のあの頃」をテーマに語り合う。

 午前九時半〜午後四時半。大人三百円、中・高校生百円。京王井の頭線「駒場東大前」駅西口から徒歩七分。日、月曜と九月二十七日は休館。問い合わせは、日本近代文学館=電03(3468)4181=へ。 (井上幸一)

踊り子が着用していた「バタフライ」などの展示を紹介し、来場を呼びかける金井教授=いずれも東京都目黒区で

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報