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【栃木】

リヤカー引き 地域へ 障害者が豆腐の製造・販売

「引き売り」方式で自家製豆腐を販売する「みゆきの杜」の施設利用者=宇都宮市で(名札をモザイク加工しています)

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 宇都宮市で障害者支援事業を行う社会福祉法人「みゆきの杜(もり)」は、就労支援の一環で、十二年前から豆腐の製造や販売を手掛けている。精神障害などを抱える施設利用者がリヤカーを引き、ラッパを吹きながら住宅街を回る「引き売り」方式が、地域とのきずなを育んできた。障害者の活躍の場としても注目される。

 「パー、プー」。十一月上旬の晴れた午後、住宅地にラッパの音が響く。リヤカーを引く男性が「ごめんください、豆腐屋です」と呼び掛けると、「ご苦労さま、いつもの絹豆腐ね」と女性が財布を持って駆けて来た。千軒を超すという顧客が来訪を心待ちにしている。

 一丁三百六十円と値は張るが、原材料にこだわり、国産大豆と天然にがりを使った滑らかな口当たりと濃厚な味わいが特長だ。理事長の大関喜子さん(70)は「『誰が』ではなく『何を』売っているかが大事。付加価値のある商品の販売で自信につながる」と話す。

 豆腐事業を始めた二〇〇六年、障害者自立支援法が施行された。内職などの屋内作業が主流だったが、障害者の社会進出を後押しする機運が高まり、地域へ出ると決断した。販売担当は二〜三人で地区別のコースを日替わりで回る。職員も同行するが、注文への対応や金銭の受け渡しは全て自分で行う。

 顧客開拓や商品開発にも励み、ミーティングでは利用者同士がアイデアを出し合う。昨冬は、豆腐の製造過程で廃棄していた湯葉を商品化し、好評を得た。

 大関さんは「思い切って外に出たら地域は味方だった。人手不足で障害者の力が求められていると思う。障害者が『自分にもできる』という気持ちになれるよう支援を続けたい」と力を込めた。

 

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