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【栃木】

<11日に考えた>「防災プログラム」を新教科に 那須町教委、新年度から

「大雨災害」をテーマにした東陽小での授業=那須町で(同町教委提供)

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 那須町教育委員会は2019年度から町独自に導入する新教科の一部として、「防災教育プログラム」を町内の全小中学校8校で実施する。地震、火山噴火などさまざまな自然災害を想定し、9年間の体系的な学習で知識や体験を積み重ねる。1998年の那須水害や2011年の東日本大震災の教訓を生かすとともに、活火山の那須岳の麓に位置する町の教育の特色とする狙いもある。 (小川直人)

 新教科の名称は「NAiSU(ナイス)タイム」。防災教育のほか、コミュニケーション能力を高めるプログラムなども含まれる。昨年十二月、文部科学省から全八校が「教育課程特例校」に指定され、教科に採用されることになった。

 防災教育プログラムは小一〜中三の全学年で年間七時間を充てる。小学生は地震や火山、大雨など自然災害の知識や自らを守る行動を身に付け、中学生は避難所の運営など防災の担い手にもなれるよう実践を学ぶ。それぞれの年代に応じたテーマで学習し、九年間で自助や共助の知識と態度を身に付ける。総合学習や社会、理科などの一部の時間を新教科に割り当てる。

 平久井(ひらくい)好一教育長は「評価や学習の成果を保護者にも伝え、家族で防災を考えるきっかけにしてほしい。実際に行動できる人材を育てるには、系統立てた九年間の継続が必要と考えた」と狙いを説明する。

 防災教育を教科の中に位置付ける準備は一六年度後半から進められたが、その基礎は教育現場で既に築かれてきた。

 町教委は一四年九月に起きた長野、岐阜両県境の御嶽山の噴火をきっかけに、一五年度、火山や地域防災の教育に乗り出した。宇都宮地方気象台や大学の専門家の協力でできた指導案に基づき、児童生徒は火山の特徴や具体的な避難行動を学んだ。その後、各校では地震災害などの学習も展開されていた。

 本年度は各校が新教科の授業を試行している。東陽小六年の「大雨災害」の授業では、避難情報に接してどう行動するか、児童たちが議論した。避難をするかどうかで意見が分かれたという。

 町教委の担当者は「児童の学習意欲は高かった。学習後、日々の気象情報に関心を向ける児童が増えた」と紹介。避難行動を考える上で、歴史や地形など地域を知ることは欠かせない。「教員にも地域を良く知ろうという機運が高まった」とも指摘する。

 平久井教育長は「防災は地域全体の課題で、町内の自治会などとも連携していきたい。子どもたちは防災を通して地域の住民らと交流を深め、コミュニケーションの力も高めてほしい」と期待する。

 

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