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【栃木】

<11日に考えた>連携で「共助」力アップ 自主防災組織110団体が連絡協議会

佐野市自主防災組織連絡協議会の設立総会。壇上であいさつする塚田芳夫会長(右)ら役員=佐野市で

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 佐野市内に百十ある住民の自主防災組織をネットワーク化する「自主防災組織連絡協議会」が今月、設立された。地域コミュニティーで災害に対応する「共助」の核になる。リーダーとなる「防災士」の育成も進みつつあり、今後は広域の訓練や効果的な研修の実施を通じた地域防災・減災力アップが期待されている。 (梅村武史)

 五日、同市の田沼中央公民館で開かれた設立総会。初代会長に選出された塚田芳夫さん(69)は、昨年の大阪北部地震や西日本豪雨、県内でも死者が出た二〇一五年の関東・東北豪雨などを挙げ、全国各地で大災害が続発している現状に危機感をにじませた。「災害が少ないまちと思われている佐野だが、激しい気候変動で今は何が起こってもおかしくない。横の連携を密にして、いざというときに備えたい」と誓った。

 町会を母体にする同市の自主防災組織は百十団体。消火、救護、避難所などの担当を決めて日ごろから災害に備えている。現在、自主防災組織があるのは全百六十七町会の三分の二程度だが、市危機管理課は「六年後をめどに組織率100%を達成したい」という。

 自主防災組織がクローズアップされたのは一九九五年の阪神大震災。神戸市内で生き埋めになった約三万五千人のうち、約二万七千人は地域住民の「共助」による救助で、自主防災組織が機能した。自衛隊や消防など「公助」による救助は約八千人だった。

 設立総会に先立つ講演会で登壇した佐野市在住の元防衛省職員、高際弘幸さん(62)は「自衛隊が態勢を整えて組織的救助を開始するまで最低三日程度はかかる」と公助の限界を語り、連絡協議会設立の意義を強調した。

 佐野市は、地域防災のリーダーとなる防災士の育成にも力を入れている。防災士の資格取得者を増やすため、取得費用を補助する制度を一六年度に始めた。現在は三十九人の防災士が市に登録し、地域で活動している。

 同市危機管理課の毛塚敏夫課長は「組織強化と人材育成を核としていかに実効性のある災害対応ができるか、行政としても力を尽くしていきたい」と話している。

<防災士> 2003年に創設された民間資格で、認定NPO法人日本防災士機構が認定する。地域の防災リーダーとして日常の啓発や訓練活動を指導し、災害時は初期消火や避難誘導、避難所開設などの先頭に立つ。今年1月末時点で16万5355人(県内2906人)が資格を保有している。資格取得には研修講座や筆記試験、救急救命講習を受ける必要がある。

 

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