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【東京】

交通事故相談、頼る先は? 江東区が閉鎖「他で代替を」

半世紀近くの役目を終え閉鎖される交通事故相談所=江東区役所で

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 交通事故に遭った時の頼れる先は−。一九六八(昭和四十三)年に開設された江東区交通事故相談所(同区役所内)が、三月末で閉鎖される。区は「他の相談機関で対応できる」と役目を終えたことを強調するが、相談件数は年間千六百件近くある。 (木原育子)

 「人生で一度もこの相談所に関わらない人もいる。一方で、本当に困って駆け込む人もいます」。相談員の男性(65)がつぶやいた。

 相談は、事故を起こした際の損害賠償や示談交渉などが大半。「示談金の相場を教えて」「自転車との事故で損害賠償請求できるのか」。インターネット上にも交通事故に関する情報は多いが、公的機関からの的確な助言を求めて来る人が多いという。

 区によると、二〇一四年の相談件数は千六百十九件。ピーク時の〇三年の二千五百十件に比べて減少傾向だが、一日に換算すると平均四〜五件ある。相談者は全体の75%が江東区民だが、千葉などの隣接県や他区からの相談もある。

 運営は都交通安全協会(警視庁内)に委託し、経費は年間約六百六十万円。江東区交通対策課の炭谷元章課長は「相談件数の七割が電話。弁護士など各種団体の相談所もあり、代替で対応できる」と閉鎖の理由を説明。最近は自転車の交通事故が多く、炭谷課長は「事故後より、未然防止の施策を強化していきたい」と理解を求める。

 二十三区内の交通安全協会の相談所は、ほか中央、墨田、中野、品川、大田、台東の六区にある。江東区の相談所は、多発する交通事故が社会問題化した昭和四十年代に、地元から要望があり開設された。

 文京や千代田などその他十六区は、区役所内に専門相談員を配置したり、交通事故に限らない「法律相談」で対応している。江東区は閉鎖後「協会が運営する別の区にある相談所を利用してほしい」とする。

 相談所閉鎖の張り紙を見ていた女性(32)は「あまり気に留めていなかったが、いざなくなると分かると不安です」と話す。区役所に来ていた会社員の男性(58)は「仕方がないと思うが、最寄りの区役所にあったから相談しやすい人もいたのでは。困った人のすぐ近くにいてくれる行政であってほしい」と話した。

 

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