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【東京】

脳性まひの長女と母の日常つづる 中野の福満さん「重症児ガール〜」出版

福満美穂子さん(右)と華子さん。「本を通じて娘との日常を知ってほしい」と美穂子さん=中野区で

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 中野区の福満(ふくみつ)美穂子さん(44)が、脳性まひで寝たきりの長女華子(かこ)さん(12)との日常を1冊の本にまとめた。医療の進歩や支援態勢の広がりで、地域で暮らす重い障害の子が増える中、「医療ケアを受けながら生きる子の存在を知ってほしい」との思いを込めた。 (奥野斐)

 本は「重症児ガール ママとピョンちゃんのきのうきょうあした」(ぶどう社)。「ピョンちゃん」とは華子さん。常に行動を共にしているので、アニメ「ど根性ガエル」で主人公のシャツにいるカエルのピョン吉にちなんだ呼び名だ。

 「いつも不安でいっぱいだった」という誕生後から、障害を受け入れ始めたころのこと、親子の日常、華子さんが好きなアイドルグループ「嵐」のコンサートへ出かけるまでになった話などをつづった。

 華子さんは、生後すぐに発症した低酸素性虚血性脳症の影響で、寝たきりで重度の知的障害がある。難治性のてんかんも発症。胃ろうなどの手術を受け、一日四回の栄養剤などの注入と投薬などが必要だ。夜間も発作が起き、福満さんは睡眠も十分に取れない。

 本には親の気持ちの葛藤を率直に吐露した。

 「障害のある子のお母さんは明るい人が多い」と言われることを、「明るさは育児の困難さの裏返しで、武装」とする。泣くという無防備な精神状態になったら自分が壊れてしまうのではないかとの「無防備になれない不安感」が明るく振る舞わせるのだという。

 日本てんかん協会都支部の機関紙に二〇〇七〜一四年に連載した文章に加筆した。昨秋の完成後、華子さんは気管切開の手術を受け、夜間は人工呼吸器を付けるように。福満さんは離婚し、母子二人の生活をヘルパーや訪問看護師ら十人以上に支えられて送る。

 「どうして私が障害のある子の親に…という思いは一生消えない」と福満さん。それでも「娘がにこっと笑う瞬間や、周りの人がかわいがってくれることがうれしい。人生は何が起こるか分からないけど、その中で生きていくしかない。娘のことを知ってもらい、将来もこの地域で暮らし続けることが理想」と語る。

 千六百二十円(税込み)。日本てんかん協会都支部=電03(6914)0152=でも購入できる。

 

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