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【東京】

木組み職人の魂に触れて 西早稲田に「博物館」 部材や模型など展示

木組みの展示物を触ることができる博物館。左は谷川一雄館長=新宿区で

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 新宿区西早稲田のビル3階に「木組み博物館」がある。日本の伝統木造建築の部材や模型などを直に触ることができるユニークな博物館だ。長年、社寺建設などの施工管理に携わった谷川一雄さん(63)=新宿区=らが「日本の伝統木造建築を知ってほしい」と開館させ、7カ月が過ぎた。 (鈴木久美子)

 くぎを使わず木と木を組み合わせる木組み。展示室には「継手(つぎて)」や「仕口(しぐち)」があり、手にとってほどいたり組み直したりできる。宮大工八田(はった)広明さんが手掛けた、世界遺産薬師寺(奈良市)三重塔の一階屋根部分、「初重斗組(しょじゅうますぐ)み」の75%大の模型も中央にある。木肌をなでると丹念なやりかんなの削りあとがあった。

 「職人のものづくりの魂はすごいです」と館長を務める谷川さんは言う。

 開館は昨年十一月三日。石間工務店と清水建設の二社で三十八年間勤め、昨年九月に退職した谷川さんが、元同僚らと企画した。数寄屋建築や茶室など伝統的な木造建築物を造る人が減り、既存の建物もどんどん壊されていく中で、「なんとか伝統建築の文化を残したい」との思い。好きで集めてきた物や資料を生かすことにした。

 展示室に説明書きはほとんどない。「まずは五感で体験してほしいと考えました」と妻で副館長の一美さん(59)。ネットの情報では得られない、実物を見たり触ったりすることにこだわった。来館者は子どもから専門家まで六百五十人を超え、視覚障害者もゆっくり楽しんでいったという。

 展示物は、漆や土壁、和くぎ、彫刻などのほか、昭和三十年代にハワイへ輸出用に造られた茶室の模型といった珍しい物も。四十五種類の木の切り株もあって、意外に人気という。

 開館は火〜木曜午前十時〜午後四時。入館無料。問い合わせは同館=電03(3209)0430。

 

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