東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

<東京セレクト>それぞれに違う表情 備後屋 鳥の郷土玩具

「ナマズに干支(えと)を乗せたシリーズが人気」と語る、郷土玩具担当の楠本京子さん=新宿区で

写真

 備後屋(新宿区)は民芸品の専門店。五つあるフロアには、陶磁器から作務衣(さむえ)まで、各地で作られた「生活道具」の数々が置かれる。地下一階では、年末になると、翌年の干支(えと)にちなんだ郷土玩具が並べられる。半世紀以上前の創業間もない頃からの恒例だ。

 ことし並ぶのは「鳥」。全国の郷土玩具の中から選んだ約四十点が置かれる。「一つずつ手作りされているので、よく見ると表情に微妙な違いがあったりして楽しい。一見素朴だが、いいものを作ろうとすれば技術も必要。どれも見飽きることがない」と担当の楠本京子さん(55)は魅力を語る。

 ほかの商品と同じく、伝統的な手法を生かしながら作られた品ばかり。できるだけ店の人が作り手と顔を合わせながら「納得して店に並べられるもの」を選ぶ姿勢を貫く。

 「郷土玩具の成り立ちはさまざま。こけし作りの職人が自分の子どものために作ったことがきっかけのものもあるし、赤ちゃんの夜泣きを抑えるために『ざる』をかぶせた伝統的な由来のものもある」と語る楠本さん。客にも産地や成り立ちを積極的に紹介するよう心がける。

 最近は、セレクトショップで扱われたり、ミニチュア商品が出るなどして、郷土玩具に興味を持つ若い人が増えているほか、海外からの観光客が来店するケースが増えている。子どもへのプレゼントとしての需要も多い。

 「郷土玩具は、人々の需要から生まれた『民芸品』という奥深い世界への入り口になる楽しいおもちゃ。干支にちなんだ商品は、一点ものも多く売り切れることもある。お店に来て選んでもらえたら」と楠本さんは笑顔で語る。 (服部夏生)

<めも> 江戸張り子の「招き酉(とり)」(2376円)、福島県会津若松市の中湯川人形の「なまずのり酉」(3240円)などが置かれる。干支(えと)にちなんだ商品を染め抜いたオリジナル「開運干支手ぬぐい」もある。新宿区若松町10の6、備後屋=電03(3202)8778

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】

PR情報



ピックアップ
Recommended by