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【東京】

都絶滅危惧種・カヤネズミ「冬の巣」確認 日の出・谷戸沢処分場で撮影成功

地表巣から顔を出すカヤネズミ=日の出町の谷戸沢廃棄物広域処分場で(東京たま広域資源循環組合提供)

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 日の出町平井にある谷戸沢(やとざわ)廃棄物広域処分場で、埋め立て跡地のススキの草原に生息するカヤネズミが、冬の「地表巣(ちひょうそう)」を出入りする様子などが撮影された。カヤネズミの冬の活動は不明なことが多いとされ、巣を出入りする写真は珍しい。処分場で生態系の回復が進んだことを示す観察結果とも言えそうだ。 (村松権主麿)

 カヤネズミは国内最小のネズミで、夏はススキなどの茎の高さ一メートルの場所に、葉を編んだ直径十二センチほどの「球巣(きゅうそう)」をつくる。空中の巣での子育てなどで注目を集め、夏場の研究は進んでいるという。

 一方、冬はススキなどが倒れた地表に、長さ二十センチほどの細長い葉を編んだ「地表巣」をつくる。冬の巣の調査をしていた麻布大学いのちの博物館(相模原市)上席学芸員の高槻成紀(せいき)さん(67)が昨年十二月、処分場で地表巣を確認。処分場を管理する東京たま広域資源循環組合職員がカメラと赤外線センサーを設置、巣から顔を出したり、巣の横を歩いたりするカヤネズミを先月末までに撮影した。

 高槻さんは「カヤネズミが冬の巣を使う写真は見たことがない。巣に残されたフンから、冬のエサも調査できる」と今後の生態解明に期待を示した。

 処分場では、ネズミ類を主な餌とするフクロウが巣箱で営巣。ヒナの巣立ちも観察されており、高槻さんは「処分場跡地に里山の自然が戻り、フクロウがネズミを捕食するなど食物連鎖も見えてきた」と話している。

 処分場では一九九八年まで、多摩地域の可燃ごみの焼却灰などが埋め立てられた。現在は表面に土を戻し、草原やサッカー場になっている。近くには、現在も埋め立てが行われている第二処分場の二ツ塚廃棄物広域処分場がある。

 <カヤネズミ> 頭から尻までの長さが5〜6センチで、体重約10グラム。茅場(かやば)と呼ばれるススキなどの草原の減少で数が減り、都レッドリストでは区部で「絶滅」に、北多摩地域では近い将来の絶滅が懸念される「絶滅危惧IB類」、日の出町を含む西多摩と南多摩地域でI類に準じる「絶滅危惧II類」に分類される。

 

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