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【東京】

戦後を生きた町会70年 文京・表町が記念誌発行

記念誌を手にする森田晴輝さん(左)と清水恭一郎さん=文京区で

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 徳川将軍家の菩提寺(ぼだいじ)で、家康の母・於大(おだい)の方(かた)が眠る伝通院の門前町、表町(文京区)の町会が創立から間もなく七十年を迎えるのを記念して「表町町会七十年のあゆみ」を発行した。戦後の町会の活動を、日本を取り巻く出来事と共に年表に刻んでいる。 (石原真樹)

 表町町会は、小石川二・三丁目と春日一・二丁目がエリアで、一九四五年五月の空襲で焼け野原になった。各地の町会組織は、戦時中に住民を国策に組み込む役割を担ったとして米軍に解散を求められ、表町町会もいったん消滅。その後、疎開先から戻った住民に物資を配給する必要などが生じたため、親睦会と称して再建し、四九年に自治組織として再出発した。

 記念誌は、前町会長の清水恭一郎さん(90)が編集の中心になって作った。町会の資料などを基に作成した年表には国内外の主な出来事のほか、「神輿(みこし)が何ものかに持ち去られる」「防災コンクールで町会の選手が第一位」など地域の重大ニュースが列挙されている。

 この町には著名人も多く住んだ。父娘そろって小説家の幸田露伴と文が地域について書いた文章や、テレビで人気者だった指圧師の浪越徳治郎さんを紹介した新聞記事などを収めた。

 記念誌は千部作り、約九百の加入世帯に配った。戦後史の記録として憲法や日米安全保障条約の条文も載せた。仲間から「そこまでやらなくても」と言われたが、清水さんは「社会の出来事を踏まえて自分たちの町のことを考える必要がある。その大本になる憲法や安保条約があっても良いのでは」と説得したという。

 現町会長の森田晴輝さん(67)は「ここは新しい住民も多い。歴史を知り、もっと町を好きになってもらえたら」と話した。

 

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