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【東京】

江戸創業、和船の造船所を後世に 法大生が周辺の街並み含めた模型制作

法政大生が制作した、佐野造船所周辺の街並み(手前)と和船(奥)の模型=江東区で

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 江戸時代に創業した「佐野造船所」(江東区潮見)の技術や歴史を後世に伝えようと、法政大の学生が造船所や周辺の街並みなどの模型を制作し、同区新砂の竹中工務店東京本店一階ロビーでパネルと共に展示されている。同造船所は、板をつなぎ合わせた「和船」を今も作り続けている全国でも数少ない会社。竹中工務店は「貴重な記録。ぜひ見に来てほしい」と呼び掛けている。 (上田千秋)

 佐野造船所は江戸時代(年号不明)に現在の東京駅八重洲口付近で創業。一八四四年に古石場川周辺(同区)に、一九九二年に今の場所に移転した。現在の佐野龍太郎社長(64)で九代目。高い木工技術を持ち、主に木製のヨットやボートを製造している。

 模型を作ったのは、法政大デザイン工学部建築学科三年の男女四人。街に出てテーマを決め、作品にまとめる「フィールドワーク」の授業で、水路が張り巡らされ、古い建物も数多く残る同区の風景に着目。中でも歴史ある同造船所に関心を持ち、調査を始めた。

 図書館で戦前の街の様子が分かる史料を見つけ、地元の人たちにも聞き取り。戦前、戦後、高度成長期、現在の様子を三百分の一の大きさの模型で再現。指導した陣内秀信教授(建築史)は「街並みも合わせて作ったことで、東京の歴史の一断面を表現できている」と評価する。

 和船は、東京湾の埋め立てと水質の悪化により漁師が減るとともに需要がなくなり、今ではイベント用として自治体などがまれに発注する程度。佐野社長は「和船を造る技術や歴史は口伝えで、自分たちで記録を作ることまではしていなかった。後世に残していくためにも、形にしてもらって本当にありがたい」と話している。

 展示は三月十七日までの平日午前九時〜午後五時で、観覧無料。佐野社長と陣内教授が参加するシンポジウム「『和船と船大工』を遺し、価値ある水辺をつくる」が九日午後六時から、竹中工務店東京本店で開かれる。入場無料で定員は先着順五十人。同社のホームページから申し込む。問い合わせは同社広報部=電03(6810)5140=へ。

 

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