東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

<東京セレクト>温かい風合い職人技 岩澤硝子 江戸前すり口醤油注ぎ

職人たちが手作りする「江戸前すり口醤油注ぎ」を手にする岩澤硝子の岩澤宏太常務=墨田区で

写真

 巨大な溶解炉から赤橙色(せきとうしょく)に溶けたガラスが取り出される。すぐに回転する金型に置かれ、たちまち大ぶりの皿へと姿を変えていく。何人もの職人が手際よく動いて、次々に製品が形作られていく。岩澤硝子(墨田区)の工場の作業風景は見飽きることがない。

 同社はガラス製品のメーカーだ。もともと自動車のヘッドライトのレンズなどを作っていたが、現在では日用品が中心。得意とするのは、灰皿、トロフィーなど「厚もの」と呼ばれる厚みのある製品。中でも「江戸前すり口醤油(しょうゆ)注ぎ」は、一九五一(昭和二十六)年に現在の地に工場を移してから作り続けるロングセラー商品だ。

 「厚みがあることを生かして、角を丸めたりして、手触りや見た目を柔らかくしている。そこが長く好まれている理由だと思う」と常務の岩澤宏太さん(37)は分析する。

 多面体のデザインは登場時から変わらないが、時代に合わせて細かな改良は加えてきた。中でもふたを「すり口」に変更して「液だれ」しにくくしたことで、一般家庭から支持を得た。「ねじ式に比べて、加工に精密さが必要。一点ずつ職人がすり合わせを調節しながら仕上げているので、出来にむらがない」と語る岩澤さん自身も、検品などの作業を担う。「二十代から八十代まで幅広い年齢層の社員総出で作り上げる。手作り感のある温かい風合いが特徴だと思う」と胸を張る。

 七年前に墨田区の地域ブランド「すみだモダン」に認定されたことも追い風となり、安定した人気を保つ。「使いやすい、見つけてよかった、といった声をいただくのが励み。ぜひ使ってほしい」と岩澤さんは笑顔で語る。 (服部夏生)

<めも> 「江戸前すり口醤油注ぎ」は大(1080円)、小(972円)の2サイズ。ふたの部分が空色や緑色などの色違いもある。詳細はホームページ=http://www.iwasawa-glass.co.jp/=で。墨田区立花4の14の20、岩澤硝子=電03(3616)0401

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報