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【東京】

障害児らの手形集めアートに 賛同呼び掛け 世界一周の旅へ

川上日夏太君(右)に手形のスタンプを押してもらう宮沢かれんさん(左)=小笠原村母島で

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 世界中の障害児や難病と闘う子どもたち、彼らを支援してくれる人の思いをつなげたい−。小笠原村母島の宮沢かれんさん(18)が四月、世界一周の旅に出る。目的は、障害児らの手形を集めてアート作品を完成させる「ハンドスタンプアートプロジェクト」(HSAP、事務局・板橋区)へ、より多くの人に参加してもらうこと。「誰もが分け隔てなく支え合える世界」を願い、約一年かけて二十四カ国を巡る予定だ。(神野光伸) 

 宮沢さんは今月、母島から約五十キロ離れた父島の高校を卒業。ブラジルなどでサッカーに打ち込んできた父・貫(かん)さん(52)の影響もあって、もともと世界を一人で旅することが夢だった。貫さんは母島で高齢者介護や障害児支援に関わっていた。その姿を見ているうちに、「生きることに一生懸命な障害者らは、周りに勇気と希望を与えてくれる」と思うようになった。

 HSAPの活動を知ったのは高校三年生の夏休み。「障害の有無や国籍、性別にとらわれず、誰もが参加できる」との趣旨に共感。「世界中の障害児らの思いを伝えるために協力できれば」と、迷わず卒業後に参加することを決めた。

 世界一周にあたって、父島の小中学校などで、約百五十人から手形を集めた。今年二月には母島で、貫さんのサッカー教室に参加する先天性脳性まひの川上日夏太(ひなた)君(7つ)、母・文恵さん(36)と、島内の小中学校や保育園などを回り、約百人に参加してもらった。

 世界一周は四月下旬、ブラジルからスタートする。米国、アフリカ、欧州、アジアを巡る予定だ。HSAPや貫さんからの紹介をもとに、学校や病院、福祉施設を回り、手形を集めてくれる「現地スタッフ」を募る。インターネットで資金を募るクラウドファンディングを活用するなどして旅費に充てるという。

 HSAPによると、今年一月時点で集まった手形は、約一万枚。二〇二〇年東京パラリンピックに向けて十万人分を集める目標にはまだまだ遠いが、宮沢さんは「自分のような若者はあきらめなければ、どんな大きな目標も達成できるはず。障害児らのために行動してくれる人たちが増えるよう、まずは自分が新しい道をつくっていきたい」と意気込んでいる。

<ハンドスタンプアートプロジェクト(HSAP)> 18歳以下の障害児や難病の子どものほか、支援してくれる人から10万人分の手形を集め、アート作品を制作する取り組み。身体を思うように動かせなくても参加でき、障害児の母親らが2014年から活動を始めた。集めた手形は、20年東京パラリンピックで「世界最大の手形アート」として発表する計画。手だけでなく足や頬など身体の一部でも参加できる。

 

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