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【東京】

<ひと ゆめ みらい> 多摩六都科学館ボランティア・永原建夫さん

子どもたちにアリジゴクの説明をする永原建夫さん=西東京市で

写真

 「みんな、アリジゴクって知ってるかな」「砂地に巣穴を作って、そこに落ちてくる虫を捕まえて体液を吸うんだ」−。西東京市芝久保町の多摩六都科学館。訪れた子どもたちを前に、同館のボランティア・永原建夫さん(71)=東村山市在住=が解説を始めた。

 体長約一センチのアリジゴクを手のひらにのせ、子どもたちに見せると「わー」と歓声が上がる。すかさず「これは幼虫。成長すると翅(はね)のあるウスバカゲロウになる。不思議だよね」と、ニコニコしながら語りかける。「じゃあ次はダンゴムシの迷路遊び。やってみようか」。子どもたちは永原さんの話に夢中だ。

 同館でボランティアを始めて九年目。写真関係の企業を六十歳で定年退職して二年が経過し、第二の人生を考え始めたころ、ボランティア募集の告知を見て迷わず応募した。現役時代は営業職だったが、昔から理科に興味があり、機械いじりや工作が大好き。「何よりも、定年後は自分の好きなことをやろうと思っていたので、これは楽しそうだ、と」

 研修期間を経て、正式に活動を始めたのは二〇〇八年三月から。週一回、木曜日が担当で、時々は日曜日にも顔を出す。所属するのは「雑木林・いきもの観察班」で、現在はその班長。館内の展示室「自然の部屋」で、昆虫を飼ったり、展示コーナーを作ったり。絵や写真を使った展示パネルも、仲間と協力して自分たちで作り上げる。

 「何より大切なのは、子どもたちを迎えて、自然や生き物に関心を持ってもらうこと。ただし、学校ではないので、一緒に遊ぶという感覚でやっています。子どもたちの感動する気持ちを大切にしたいから」と永原さん。展示用のアリジゴクも自宅の庭で育てている。「足りなくなると掘り出して、科学館に供給しているんですよ」と話す表情はちょっぴり誇らしげだ。

 「ミジンコを顕微鏡でのぞいたり、メダカのふ化を観察したり、子どもたちが自然の世界に触れる機会を提供する。さらに、そういう生き物の模型を工作で作り、楽しみながら理解を深めてもらう。紙とはさみで簡単にできる工作を、私が考案しています。自由にやれるので、こちらも楽しい。アイデアをひねりだすための勉強も必要だし、飽きないですね」

 もう少し、この活動を続けるつもりだ。 (鈴木貴彦)

<多摩六都科学館ボランティア会> 来館者との交流や実験・観察、イベントの企画・運営など幅広い活動を科学館職員と連携して行う。登録者は約100人。現在、新メンバーを募集中(10月15日締め切り)。問い合わせは同館=電042(469)6100=へ。

 

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