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【東京】

第20回東京新聞教育賞(下)学校外に輪広げる 第2回受賞・加藤隆さん

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 都立白鴎(はくおう)高校(台東区)在任中、演劇部顧問としての取り組みで第二回東京新聞教育賞を受賞した。現在、都立新宿高校校長を務める加藤隆さん(58)は「生徒が主体的に楽しく活動できるよう、環境を整えることが大切」との変わらぬ思いを深めている。

 当時、演劇部の上演の機会は、たとえ全国大会まで進んでも年五回ほどだった。日ごろの成果を披露する場を増やし、地区全体を活性化するため、地区の高校の先生たちに声を掛け、地区発表会を年三回開催。また、交流イベントも始めた。

 生徒の士気を刺激しようと、部員集めの校内オーディションも企画した。都大会すら「夢のまた夢」だった演劇部は、関東大会や全国大会にも進むように。赴任から九年、全国大会で最優秀賞(優勝)に輝き、国立劇場で上演できる四校に選ばれた。

 全国大会の最優秀賞は目に見える成果だが、その後の教育活動にとって大きかったのは「学校の中にとどまらず、外に出て、いろんな人との関わりを持つことが大事だと分かったこと」だという。

 例えば、校長として勤務した都立小笠原高(小笠原村)でのこと。二〇一三年に赴任し、翌年に開校四十五周年を控えていた。何かできないかと考え、一年生が近くの兄島で取り組む自然保護活動に目を付けた。

 在来種を保護するため、ランタナ(シチヘンゲ)などの外来種を取り除く。赴任数年前までは宿泊行事だったが、行事の見直しなどで日帰りになっていた。「世界自然遺産という自分たちの郷里の素晴らしい自然を守る意識を強く持ってほしい」。活動の充実を目指した。

 島でのキャンプは条例で禁じられている。社会教育目的なら例外だったが、学校だけでことは動かない。村や都、環境省などを回って、活動が生徒にとっていかに有益かを説き、協力を求めた。

 一年後、訴えが実り、一泊二日の自然保護活動が復活した。「大変だったが、教員もよくやってくれた」。学校外への粘り強い働き掛けが、昨年の同校の環境大臣賞受賞にもつながっている。 (唐沢裕亮)

     ◇

 第二十回の応募用紙はホームページで。十月二十日締め切り。問い合わせは、東京新聞文化事業部「がんばれ先生!東京新聞教育賞」係=電03(6910)2345=へ。

 

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