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【東京】

「毎晩 泣き声聞こえた」 10歳で集団疎開 中野登美さん(83歳)

疎開中の防空ずきんを児童らに着せて説明する中野登美さん(右)=品川区で

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 太平洋戦争中の学童疎開体験を語り継ぐ活動をしている品川区の中野登美さん(83)が二十四日、同区立大原小学校を訪れ、六年生児童四十二人に社会科の特別授業を行った。

 「私があなたたちと同じ年頃だった。疎開先では毎晩、シクシクと泣き声が聞こえたのよ」−。一九四四年夏、十歳だった中野さんは同区から静岡県の山あいの寺に集団疎開した。親と離れて慣れない集団生活。心の中は寂しさと不安でいっぱいだったという。

 当時使っていた半纏(はんてん)や防空ずきん、木製弁当箱、竹製けん玉などを手に取り、雑魚寝姿など当時の様子を写したパネルを示しながら思い出を語った。「学童疎開は子どもを次世代の戦力として温存する国策だった」と背景も説明した。

 「実体験した人しか語れない話。興味深かった」と加藤凜(りん)さん(12)。原乙世(おとよ)さん(11)は「いまの生活に感謝しないといけない」と話していた。

 語り継ぐ活動は三十年以上。いまも年十数回、全国の学校を飛び回ってボランティアで授業をしている中野さん。「これからの歴史をつくるのはあなたたちです」という言葉で授業を締めくくった。 (梅村武史)

 

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