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【東京】

電源不要の溶接工具 東南アジアにも進出 板橋の中小企業開発

開発したコードレスシート溶接機を手にする前川康宏さん(左)と恵さん=板橋区で

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 板橋区の中小企業が開発した工具が、「東南アジアのビル建設に使いたい」と商社から注目されている。塩化ビニール製床材の接ぎ目を溶接する機械で、熱源にカセットボンベを用いてコードレス化し、電源のない現場でも使えるようにした。区などが主催する板橋製品技術大賞の最優秀賞に選ばれ、九、十両日に展示される。(増井のぞみ)

 工具は「コードレスシート溶接機 Join(ジョイン)−T(ティー)」。板橋区宮本町の「板橋匠屋本舗」代表、前川康宏さん(50)が開発した。

 病院や学校の床に張られることの多い塩化ビニール製シートは、継ぎ目を熱風で溶接する作業に熱源となる電気が欠かせない。新築の現場では、数十メートル離れた電源からコードを引いたり、発電機を用意したりする必要があった。

 内装職人として二十五年の経験がある前川さんは「電気コードの準備と片付けに一時間かかることもあった。コードに足を取られたり、水にぬれると漏電する危険性もあった」と話す。

 そこで、小型のカセットガスボンベで着火してカイロで高温を保ち、乾電池でモーターを動かして送風する仕組みを考案した。重さ約四百グラムと従来の三分の一以下に軽量化することにも成功した。

 一個三万九千八百円(税抜き)。昨年二月から販売し、二千個近く売れた。東南アジア向けに、熱風の吹き出し口の形を大きくしたタイプも発売。屋上の防水工事に活用される。

 板橋製品技術大賞では「現場での作業性を大幅に向上させた」と評価され、応募二十二社の中から最優秀賞に輝いた。

 二〇一二年に妻の恵さん(49)と起業した前川さん。「職人の現場作業には、危険がいっぱい。世界中で安全できれいに施工できる工具をつくっていきたい」と意気込む。

 工具は九、十の両日、区立東板橋体育館(加賀一)で開かれる「いたばし産業見本市」で他の受賞製品とともに展示される。

 

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