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【東京】

西郷と勝 絆の秘話 きょうから台東で写真、資料展示

「友情秘話展」の会場で、来場を呼びかける泉田さん=台東区で

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 来年のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の主人公として脚光を浴びる薩摩藩士の西郷隆盛。明治維新の立役者だが、西南戦争に敗れ、新政府への反逆者として最期を迎えた。西郷とともに江戸城の無血開城を果たした幕臣の勝海舟は、西郷の死(1877年)から2年後、西郷の記念碑をひそかに建立した。そんな2人の絆を伝える「西郷南洲(隆盛)と勝海舟の友情秘話展」が、25日から台東区で始まる。 (井上幸一)

 この記念碑は現在、洗足池畔(大田区南千束)にある勝海舟の墓の近くにある。一帯は来年三月まで改修工事中で近づくことはできない。

 碑の表には、沖永良部(おきのえらぶ)島に流罪となった際に西郷がしたためた有名な漢詩「獄中有感(ごくちゅうかんあり)」が刻まれている。裏には「嗚呼君能(ああきみよ)く我(われ)を知る、而(そ)して君を知るも亦(また)我に若(し)くは莫(な)し(ああ、あなたはよく私を知っている、そして、あなたを知るのは私しかいない)」と、勝が西郷への熱い思いを吐露した文がある。

 碑や二人の写真、漢詩の読み下し文、関連資料などを展示したのは、谷中石碑研究会の泉田昌慶(まさよし)さん(84)=文京区千駄木。長年、「海舟日記」の記述などを研究してきた。

 泉田さんによると、記念碑は勝が独力で建立。谷中(台東区)の石工広群鶴(こうぐんかく)が手掛け、船で木下川(きねがわ)(葛飾区)の浄光寺に運ばれた。

 「徳川家ゆかりの寺に、『賊(ぞく)将』だった西郷の碑をこっそり建てた。紙に書いたのではなく、石にしっかり刻んだところに、西郷への勝の思いの強さがうかがえる」と泉田さん。勝は西郷の名誉回復にも尽力、上野公園の銅像設置につながった。大正時代に荒川の河川改修に伴い寺が移転すると、碑は勝の門下生の意向で現在の場所に移されたという。

 今回の展示では、庄内藩(山形県)の若者五人が、西南戦争で西郷に従い戦死したとの資料も示した。泉田さんは「敵対したこともある庄内藩から、薩摩への『国内留学』を受け入れていた」と説明、西郷の魅力がうかがえるエピソードとしている。

 友情秘話展は、古書店&ギャラリー「タナカホンヤ」(池之端二)で十二月三日まで(二十七、二十八日は休店)。午後一〜五時。入場無料。

 

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