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【東京】

生産者と消費者 また会えた 福島・矢祭町産の規格外品を販売

復活した品川の「もったいない市場」で常連客と話す熊田さん(中央)=品川区で

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 福島県矢祭町で採れた規格外の野菜や加工品を格安で売る「もったいない市場」が三日、品川区内で開かれた。会場で飛び交ったのが「また会えたわねえ」「帰ってきてくれてよかった」の声。実は常連客にとっては待望の品川会場の復活だった。被災地復興を願う人たちの気持ちと気持ちがつながって実現した、ちょっといい話を。

 この市場は矢祭町特産品開発協議会が企画し、二〇〇九年に始まった。毎月第二、四日曜日の早朝、都内三会場で開かれてきたが、今年三月に品川会場の駐車場がホテル建て替え工事のために使えなくなった。

 事務局の熊田孝子さん(67)らが代わりの場所を探したが難航。あきらめかけたころに、城南信用金庫が品川支店(南品川一)の駐車場の無料提供を申し出た。

 「本当にありがたかった」。熊田さんらにとって、品川は特別に思い入れのある場所だった。二〇一一年三月、東日本大震災、原発事故があり、市場は一時中断。四月に再開したが、放射能汚染を恐れてか、客の数は目に見えて減った。

 近くのJR品川駅に野菜が捨ててあったと聞いたのもこの頃だった。

 「あのときは悲しくて涙がでたなあ」と熊田さん。

 ところが半年ほどたつと、常連さんたちは戻ってきてくれた。消費者との強い結び付きを感じたのが、この品川だった。

 この日も常連さんが多かった。区内から来たという女性(59)は「ずっと待ってたのよ。トマトと卵とブロッコリーを買いました。どれも新鮮だから冷蔵庫に入れてからの持ちが違うのよね」。神奈川県大和市から来た女性(67)は「友人の中には、福島産と聞くとまだ尻込みをする人はいる。でも私は気にしない。ここにきて顔見知りの人と話すのが楽しいしね」。

 二トントラックで福島から運んできた商品は四時間で完売。次回の開催は十七日午前九時半からの予定。 (坂本充孝)

 

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