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【東京】

<ひと ゆめ みらい> 「本能的な声」で元気に リンクレイターヴォイスワーク講師・登坂倫子さん(54)=板橋区

レッスンで生徒たちに発声法を教える登坂さん=板橋区のスタジオで

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 のどに力を入れず、体から不必要な緊張を取り除く。言葉を覚える前の赤ちゃんのように、本能的に、反射的に声を出す。登坂倫子(とさかのりこ)さん(54)が教える「リンクレイターヴォイスワーク」は、腹筋を引き上げて声を出す発声法とは逆の、体の力を抜いてわき出る声を出すという方法だ。

 埼玉県川越市出身。神奈川県立湘南高校を卒業し、憧れだった宝塚音楽学校に入った。宝塚歌劇団の七十期生として、「乙原愛」の芸名で一九八四年から九三年の退団まで華やかな舞台に立った。その後渡米し、ロサンゼルスの演劇学校に通っていた二〇〇二〜〇三年、必修科目だったリンクレイターヴォイスワークを学んだ。

 自分の体が無意識に発する声、自由な声を、骨格全体に共鳴させて響かせる。米国の演劇界で長く発声指導をしたクリスティン・リンクレイターさんという英国出身の女性が、七〇年代に実践を重ね生み出した発声法だ。初めて知るその方法に感銘を受けた登坂さんは、帰国後の〇五年から、国内でその発声法を指導し始める。

 「自分も宝塚時代、よく発声でのどを壊していた。多くの役者は今も力任せにのどを使ってしまう」。一四年には英スコットランドでリンクレイターさんから直接トレーニングを受け、日本人初の認定講師となった。一緒にトレーニングした世界中の仲間とは、使う言語が違っても、発声法で出す言葉にならない「本能的な声」で心も通じ合う気がした。

 欧米では現在多くの役者が取り入れている発声法だが、日本で教える認定講師は登坂さんだけという。板橋区にあるスタジオで開くレッスンには、舞台で活躍する役者のほか、声を仕事としない一般の人たちも通ってくる。

 レッスンでは、体のさまざまな部分に自身の声を届けるイメージを伝え、「リラックス、リラックス」と何度も声を掛け生徒たちの心身の緊張を緩める。精神的に落ち込みうまく声が出なくなっていた人が、見違えるように元気な声を出せるようになった例もある。「声を通して人が変わっていくのがうれしい」

 最近は古巣の宝塚歌劇団でも指導をするようになった。基本のトレーニングとして身に付ければ、のどもつぶさず大切な声をずっと美しく出していける。日本の演劇界にももっと広めていくつもりだ。(神谷円香)

 「リンクレイターヴォイスワーク」の公式情報は英語のウェブサイト=https://www.linklatervoice.com/。リンクレイターさんは現在、出身地の英スコットランドに指導センターを開設。登坂さんのスタジオは「スタジオあんしぃん」=http://un-seen.net/=で。問い合わせはメールフォームから。

 

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