東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

<日本の新進作家 無垢と経験の写真>(中) 蓄積されていた鏡の記憶

《姉の手鏡》 <Mirrors>より 2017年 (作品撮影・木暮伸也)

写真

 十九世紀に発明された最初の写真であるダゲレオタイプは、銀メッキされた銅板の鏡面上に像を結ぶため、「記憶を持った鏡」と呼ばれていました。当時の人々はまだ写真を知らなかったため、自らの目で確認するまでは、鏡に映った自分の姿がそこに残っているかのような“写真”というものを、にわかには信じられなかったといいます。

 この手鏡に映し出されているのは、その鏡を長年愛用していた私の姉が、鏡を使用していた時にふと映り込んだ姿をとらえた肖像です。彼女がまだ中学生の頃から、長い年月をかけてその鏡に映り込み続け、蓄積されていた潜像のような鏡の記憶を、写真によって可視化しています。 

文・写真 鈴木のぞみ

 「無垢と経験の写真」展は1月28日まで、東京都写真美術館(目黒区三田)で開催中。(問)同美術館=電03(3280)0099。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報