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【東京】

虐待受けた少年の苦悩表現 相談所長が詩集絵本 すーべにあ文庫第2弾

すーべにあ文庫の第2弾となる「嘘つき」を手にする高橋さん(百年書房提供)

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 墨田区の小さな出版社「百年書房」(藤田昌平代表)が今夏に刊行した、社会貢献活動を紹介する「すーべにあ文庫」の第二弾「嘘(うそ)つき」が発売された。反響を呼んだ第一弾と同様、児童養護施設などを退所した若者のアフターケア相談所「ゆずりは」(国分寺市)の高橋亜美所長が手掛けた詩集絵本だ。 (井上幸一)

 今回収録された詩「嘘つき」は、母子家庭で母親から虐待を受けて育った十七歳(当時)の少年の言葉を基に高橋所長が再構成。その境遇から、自分をコントロールできなくなった苦悩が表現されている。あとがきで高橋所長は、自身が父親の支配に苦しんだ経験をつづり「家庭の中で、日常的に繰り返される支配や抑圧は子どもたちの心も体も萎縮させる」と指摘する。

 文庫の収益は、テーマに関連する団体・施設に寄付される。十五歳で施設に保護された少女の気持ちを表した第一弾の「はじめてはいたくつした」は、NHKラジオで紹介され、まとめて購入する人も。私家版を中心に発行する百年書房としては異例の千冊近く売れ、「気持ち分だけ余分に」と本の代金以上の寄付もあったという。

 藤田代表は「子どもの貧困の問題は世間の大きな関心事だとあらためて感じた。文字が少ない小さな本なので、『誰かに読んでほしい』という人から複数の注文があった」と話す。来年初頭の発売を予定する第三弾は、筋ジストロフィーの女性の半生を紹介する内容になるという。

 すーべにあ文庫は、百年書房に電話=03(6666)9594=か、ファクス=03(6666)9433=で注文した後、代金分の切手を郵送する方式で主に販売。「嘘つき」は五百四十円。ジュンク堂書店池袋本店(豊島区)でも扱っている。

 

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