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【東京】

「アリの街」新たな素顔 胸像、肖像画、映画…

ゼノさん、北原さんの写真を手に「多くの人に街のことを知ってほしい」と話す北畠さん。手前は新たに見つかった北原さんの胸像=台東区東上野で

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 隅田川西岸、現在は隅田公園(台東区)のある場所に戦後の一時期存在した集落「アリの街」(通称)。街の記録を紹介する写真資料展が二十日から、公園内のリバーサイドギャラリー(花川戸一)で開かれる。昨夏に続く二回目で、今回は関係者の胸像など新資料を追加。講演会や関連映画の上映など、内容を充実させた。二十三日まで。(井上幸一)

 実行委員会代表で、お茶の販売店を営む北畠啓行(ひろゆき)さん(77)=台東区東上野=によると、アリの街には、戦争で家族や家を失った人々が一九五〇年に形成した生活共同体「蟻(あり)の会」があった。廃品回収を生業に、アリのように働き、助け合って暮らしていた。戦災孤児の救済に尽力したポーランド人のカトリック修道士のゼノ・ゼブロフスキーさん(一八九一〜一九八二年)、街に住み「アリの街のマリア」と呼ばれ、二十八歳で病死した北原怜子(さとこ)さん(一九二九〜五八年)らが献身的な支援を展開。都から立ち退きを求められ、六〇年に江東区に移転した。

 同展では、街の人々などの写真約七十枚を掲示。新たに見つかった北原さんの胸像、肖像画なども展示する。

 期間中、「風の使者 ゼノ」の著書があるルポライター石飛仁(いしとびじん)さん(75)の講演「アリの街とは何だったのか?」や、映画「蟻の街のマリア」(一九五八年、千之赫(かく)子さん主演)、アニメ映画「ゼノ かぎりなき愛に」(一九九九年)を上映する。

 台東地区センター(台東一)での昨年七月の展示会には、約三百五十人が来場。以後、有志の実行委員たちは、ゆかりのポーランドやローマ法王庁の大使館を訪問、ポーランドメディアの取材を受けるなど、活動の幅を広げ、新たな資料を集めてきた。

 「地元の人でも知らない事実を、まず知ってほしい」と北畠さん。「今回の会場は、アリの街があった場所から歩いて十分ほど。最終日は北原さんの命日で、死去からちょうど六十年に当たる。現地で献花して追悼したい」と話している。

 二十日午後十二時四十五分からの開幕セレモニーには、ポーランド、ローマ法王庁の両大使が出席予定。入場無料。

 問い合わせは、北畠さん=電03(3831)2030=へ。

 

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