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【東京】

谷中の「のこぎり屋根」 初の国産リボン工場だった

解体される前の「のこぎり屋根工場」

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 ギザギザした形から「のこぎり屋根工場」と呼ばれ、2013年に解体された台東区谷中の元工場は、日本初の機械式西洋リボン工場だった。地元有志が調査で明らかにし29日、「国産リボン発祥の地」のプレートを工場跡に設置した。(原尚子)

 「谷根千地区」はかつて織物産業で栄えた。地元有志でつくる「谷中のこ屋根会」によると、「よみせ通り」沿いにあった「のこぎり屋根工場」は一八九四年、白木屋呉服店支配人の岩橋謹次郎が「岩橋リボン製織所」として建てた。経営者が代わりながらもリボン製造は続き、一九六六年に「千代田リボン製織所」の時に生産を終えた。

 のこぎり屋根は十九世紀前半、産業革命時代のイギリスで誕生した。屋根の北側だけをガラスにすることで、直射日光ではない柔らかな光を取り込める。繊細な織りや糸の色を確認するために最適で、日本でも各地で導入された。

 谷中の工場は、印刷会社の事務所に使われた後に解体され、マンションと駐車場になっている。谷中のこ屋根会が建築部材の一部や関係者から譲り受けたリボンの見本帳を保存し、谷中の近代遺産として活用できないかと模索している。

 観光客や地元の人が行き交う中で行われたプレートの除幕式。同会の山崎範子さんは「のこぎり屋根を広く知ってもらう手段ができた。ここを通るたびに思い出してもらえれば」。一九六〇年代から谷中にすし店を構え、街づくりの先頭に立ってきた「谷中の暮らしと街並みを守る会」の野池幸三さん(92)は「プレートを通して昔のことを学んでもらえれば、街歩きも楽しくなると思う」と話した。

 

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