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【東京】

<ひと ゆめ みらい> ビルの一室で「サロン」主宰・佐藤修さん

多様なテーマを話し合う「サロン」を主宰する佐藤修さん=文京区で

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 「話したいことがある人は、多いと実感している」

 文京区の湯島天神近くにあるビルの一室。週末を中心に、高齢者のみとりや二宮金次郎の実像、障害者の一人暮らし、隣のムスリム、企業のものづくりなど、多様なテーマを話し合う「サロン」を主宰している。参加者は平均六、七人。多い時には二十人近くになり、十畳ほどの部屋は議論と人いきれで「熱する」こともある。

 もともと素材メーカー東レの経営企画畑だった。入社して四半世紀の一九八九年春、「会社の在り方の前に自分の在り方を考えなければ」と思い、退社した。

 その夏、サロンを開いている一室に、地域や企業の課題解決を支援する会社「コンセプトワークショップ(CWS)」を起業。会社員時代に知り合った人たちに「事務所に一週間いるから来て」と呼び掛けた。百人ほどが訪ねてきて「面白い」と感じ、自由に話せる「サロン」を毎週金曜夜に開くようになった。

 二〇〇一年から五年ほど、財団法人がNPOを支援する助成事業の事務局を担当。サロンに、いろいろなNPO関係者も加わった。

 サロンは当初、テーマを決めず、軽食ありビールありの飲み会的な場だった。充実させようとテーマを決めるなど、開催方式を模索していた最中の〇七年、サロンに協力してくれていた妻が病気で亡くなった。意欲を失って自宅にこもりがちになり、一年ほどサロンを休止したこともあった。

 サロンは現在、報告者が一時間ほど話した後、約二時間、意見を交わす。発言していない人に意見を促すといったコーディネート役だが、激論に飛び込むことも。

 テーマは、自分の関心事や、話したい人からの提案、サロンで話し合っていて出てくる、の三パターン。

 提案者以外の報告者は知人に頼んだり紹介してもらったり。二、三回参加した人に「今度話さない?」と水を向けると、半数ぐらいが話してくれる。

 サロン運営で疲れることもあるが、人と会うことが活力になり、報告者の話や議論の中で知らないことが飛び出すことも多い。「こんなに知らないことがあるのかと、分かるのがとても面白い」と笑う。

 議論が下手とも言われる日本人。「多様なテーマを話せる場が増えてほしい」。話し、話し合うことが人と人をつなぎ、市民社会を豊かにする、そう信じている。 (飯田克志)

 サロンはコーヒーを飲んだり菓子をつまんだりしながらのカジュアルな雰囲気。テーマのないサロンもある。だれでも参加でき、会費500円(1回)。できるだけ事前申し込み。日程やテーマ、問い合わせはCWSのホームページ。「CWSコミュニティ」で検索。

 

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