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【東京】

3月11日から3日間限定 パブリックアート、最後の点灯

昨年3月、点灯した「カウンター・ヴォイド」=港区で(インビジブル提供)

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 現代美術家、宮島達男さん(61)=茨城県守谷市=が制作した港区六本木のパブリックアート「カウンター・ヴォイド」が11日から3日間限定で点灯する。東日本大震災の風化を防ごうと、2年前、NPO法人や都などが共催で始めた。点灯は今回で終止符を打つ。「被災地の状況が変わり、後ろ向きでなく、前向きに考える時期に来ている」と一区切り付ける考えだ。 (松村裕子)

 アートは高さ5メートル、全長50メートルのガラス製。2003年にテレビ朝日が六本木に移転したときに社屋壁面に設置された。ネオンで高さ3.2メートル、幅2.2メートルの数字6個を浮かび上がらせる。それぞれ異なるスピードで、「9」から「1」までカウントダウンする。昼は白字、夜は黒字で壁に浮き上がる壁は街のランドマークになった。

 大震災発生2日後の11年3月13日、宮島さんは所有者のテレビ朝日と相談して点灯を止めた。被災者追悼の思いに加え、「原発事故の影響で節電が求められる中、違和感があった」という。気持ちが変わったのは5年後。大震災が急速に人の記憶から薄れる危機感をもった。一人一人が生と死を見つめる機会として、アートで地域活性化を目指すNPO法人・インビジブル(中央区)などと協力して3日間限定で点灯を復活させた。

 宮島さんは昨年から宮城県石巻市の子どもたちとともにアート作品の制作に取り組んでいる。子どもら被災地の人々の前向きな姿に、イベントを始めたころとは「状況が変わった」と感じたという。NPO法人がイベントとあわせて人材育成に取り組んでおり、「考えたことをもとに新しい活動をおこす人が出てきた。区切りをつけよう」との考えに至った。最後のイベントを訪れた人には「未来へ向かって、震災の記憶を生かして変革を起こしてほしい」と期待する。

 11日は震災発生時刻の午後2時46分に点灯。12、13日は午前10時からで、3日間とも午後11時59分まで。11日午後3〜8時には作品前で、3・11への思いを書き込むワークショップを催す。問い合わせはNPO法人=電050(3710)8483=へ。

 

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