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【東京】

<東京人>写真の力 被災者の心を救済する

海水に浸かった写真は、1枚ずつ丁寧に洗う(思い出サルベージ提供)

写真

 東日本大震災で水没したもののなかには、写真やアルバムもありました。震災が少し落ち着いたころ、「流された車は買い替えることができても、大切な思い出が詰まったアルバムは二度と手に入らない」と瓦礫(がれき)の中でアルバムを探す人の姿が目についたそうです。

 被災した人たちの写真への濃密な想(おも)いに突き動かされ、各地で写真救済プロジェクトが行われました。今回は宮城県山元町での写真救済プロジェクト「思い出サルベージ」に携わった三人のカメラマンを取材しました。海水に浸(つ)かった写真はバクテリアによって腐敗が進むため、膨大な写真とアルバムを洗浄し、乾燥させ、複写して持ち主へ戻す活動です。

 山元町での写真大洗浄・複写会に何度も足を運んだカメラマンの加藤孝さんと尾田信介さんは、家族写真や消えてしまった町の風景写真を複写するうちに、記録という写真本来の役割の大切さに改めて気づいたそうです。意識して身近な人を写真に収め、仕事で人物を撮る際にも家族や町の風景を一緒に写すようになりました。

 カメラマンで「思い出サルベージ」副代表の新藤祐一さんは、「津波で町の半分以上が消えた山元町にとって、救済された写真は町の大事な遺産です。可能な限り活動を継続していきたい」と語ってくれました。「思い出サルベージ」の活動は、スマホでお気軽に写真を撮る時代に写真について再考するきっかけになるはずです。 (金丸裕子)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、4月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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