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【東京】

<東京人>写真の力 家族の歴史支える写真館

岡崎写真館の2代目伊與田正志さん(右)と3代目の彰さん=品川区東五反田で

写真

 日本の家庭の歴史は、写真館とともにありました。お宮参り、七五三、成人式と、家族が歩んだ歴史を写真館で撮影する家族写真に記憶してきたのです。品川区五反田の「岡崎写真館」は、そんな家族写真にこだわり愛され続けています。創業は昭和四年。現在は創業者の息子の伊與田正志さんと孫の彰さんが営んでいます。

 正志さんは今年八十五歳。近所の洋服店の一家は、四世代にもわたって岡崎写真館で家族写真を撮影しているそうです。正志さんの写真が愛される理由は、家族との間に生まれる特別な関係にあるかもしれません。撮影中の観察眼と何げない優しさは卓越したもので、同時に正志さんにとっても家族の幸せな瞬間に触れられることは大きな喜びです。撮影のたびに大きくなる子どもたちや、一家に生まれた孫やひ孫に会えるのがとても楽しいそうです。日々の暮らしでも、正志さんは五反田駅前商店会五反田一丁目町会の会長を務め、近所の保育園の子どもたちにも大人気です。

 また、正志さんはデジタルではなくフィルムでの撮影にもこだわり続けています。さらに、三代目の彰さんは岡崎写真館の伝統を守るため、初代が使用していたガラス乾板での撮影方法も復活させました。ともにデジタルにはない独特の美しさを持った写真に仕上がります。こういった写真館の高度な伝統技術が日本の家族写真の歴史を支えてきたのです。 (松井美緒)

 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、4月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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