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【東京】

戦争の痕跡追い分かった「PEACE」の尊さ 工学院大付中生が構成、取材、編集

映像作品「PEACE」を制作した生徒たち。前列中央が監督を務めた斎木さん=八王子市で

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 自分たちが住む地域の戦争の痕跡を追った工学院大学付属中学校(八王子市)の映像作品「PEACE」が、二月に米国で行われた「プロビデンス・チルドレンズ・フィルム・フェスティバル」で上映された。自ら構成を考え、取材、編集した生徒たち。上映会での米国人らとの触れ合いも含め、平和に対する考え方が深まったという。 (萩原誠)

 作品に込めたのは「戦争は二度と起こしてはならない」というメッセージ。制作したのは二年生のグループでいずれも十四歳の斎木宏共さん、金丸瑛洋さん、小林歩夢さん、嶋崎匠美さん、島田久遠さん、松本彩人さんの六人。惨禍から生き残った人の言葉や表情、戦争遺構の映像がそれを力強く伝える。

 一九四五年の八王子空襲、機銃掃射などで痛々しい傷が今も残る旧日立航空機変電所(東大和市)を取り上げた。現場を訪れて八王子市郷土資料館で調べ、空襲体験者にもインタビュー。ナレーション、英語の字幕も自分たちで考え、五分ほどの作品にまとめた。

 監督を務めた斎木さんは「あらためて空襲被害が具体的に分かった」、脚本を書いた嶋崎さんは「かつて戦争があったからこそ、今の平和があると感じた」と振り返る。

 同校の二年生は毎秋、平和学習の一環で原爆が投下された広島などを訪れる。それに向けて中川千穂教諭(42)が提案したのが映像化だった。「事前に調べたことを映像にすればより理解が深まる」との発想という。生徒らはグループに分かれて制作に取り組み、生徒同士の投票で斎木さんらの作品がフィルム・フェス出品作に選ばれた。

 二月二十五日に米ロードアイランド州で開かれた上映会に斎木さん、嶋崎さん、松本さんが参加した。「アメリカが嫌いか」「今でも反感を持っているのか」などと尋ねる人や「米兵からチョコレートをもらった」と回顧する戦争体験者の表情を「印象的」と語る人も。多様な声を受け止めた。

 「生徒たちは考えながら手探りで制作していった。これからの人生に生きる経験です」と中川教諭。松本さんは「ひと言で平和と言ってもさまざまな視点や考え方がある。作品作りを通じて教えられた」と話していた。

 

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