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【東京】

46年…地域の交流支え 台東・都人権プラザ分館閉館

閉鎖を控えた都人権プラザ分館の前で、「まだ使えるのに解体ありきなのは納得できない」と話す豊田さん=3月30日、台東区橋場1で

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 半世紀近く人権啓発や地元住民の交流の拠点だった都人権プラザ分館(台東区橋場1)が31日、閉館した。都は設備の老朽化などを理由に建物を取り壊す予定で、区が跡地を買い取る方針。だが地域住民は「建物はまだ改修すれば使える。一日も早い有効活用を」と都に再考を求めている。 (谷岡聖史)

 建物は浅草寺から北東に徒歩二十分ほど。鉄筋コンクリート造三階建てで隅田川沿いの住宅街にある。二〇〇二年から都人権プラザだった。昨年二月に主機能が港区芝に移転、「分館」として残されたが今回、正式に閉館となった。

 近くに住む豊田太一さん(70)は昨春、入り口の張り紙で閉館を知った。「四十六年も地域と密接に関わってきた施設なのに、閉鎖の知らせは紙切れ一枚。納得できない」。利用者や地元住民で「旧東京都人権プラザの活用を考える会」を発足させた。

 前身は都産業労働会館。周辺は江戸時代から皮革加工が盛んで、明治以降は靴づくりが地場産業になった。会館は靴産業振興と住民生活の向上のため一九七二年、オープンした。

 産業振興の機能が他施設に移り、都人権プラザに改組後は人権相談と啓発が中心となり、会議室などを低額で貸し出すサービスも継続してきた。

 ここで開いてきた書道教室会場を四月から区の施設に移す新井泉舟(せんしゅう)さん(67)は、使用料が高くなることから「半分ボランティアなのでずっと据え置きだった参加費も、値上げせざるを得ない」と話す。代わりの施設を借りられず、活動日を変更したサークルもあるという。

 都人権施策推進課によると、港区へのプラザ移転は「二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向けた人権理念の発信」と「老朽化」が理由。耐震基準を満たしているが、配水や空調設備が古く、他の部局で使う計画もないため解体を決めたという。

 台東区は三月の区議会企画総務委員会で「(解体後の)敷地は取得の方向で検討している」と表明。都は本年度、解体に向けた調査を行う。豊田さんらは「設備の老朽化は建物を壊す理由にならない。直せば十分使える」と、約二千五百人分の署名を昨年十二月に都に提出。今後も都側に働き掛けを続けるという。

 

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