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【東京】

震災時 難しい「共助」 被災者から聞き取り本に

著書を手に、シンポジウムへの来場を呼びかける三舩さん=台東区で

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 台東区在住の防災まちづくりコンサルタント、三舩(みふね)康道さん(68)が「東日本大震災を教訓とした新たな共助社会の創造」(近代消防社、1080円)を著した。大震災の際に学校、市民会館などの避難所で生活した被災者からの聞き取り調査を基に、災害時に助け合う「共助」の幻想を指摘。実効性のある「自助」「共助」「公助」の在り方を具体的に示した。 (井上幸一)

 聞き取りは、東日本大震災から三年後の二〇一四年三〜四月に、岩手県宮古市、大船渡市、宮城県気仙沼市で実施。仮設住宅を訪ね、個別、グループ単位、合わせて約三十人から、津波で家が流されるなどして、震災直後に避難所で暮らした際の状況を聞いた。

 結果、住宅に大きな被害を受けていない近くの住民から食料や毛布の援助がなかなか受けられず、避難者が厳しい生活を強いられ、住民同士の「共助」が機能しなかったケースが多々あったことを確認。三舩さんは、背景として、手を差し伸べる側が、際限なく援助を続けなければならなくなるのでは、と懸念を感じる心理状態などを挙げた。

 著書では、被災者それぞれの生の言葉を収録。「共助」を働かせる策として、自衛隊による支援などの「公助」を、国が被災四日目から保証するよう提言。自分で身を守る「自助」、「共助」は発生から三日間まで頑張るといった指針を明確に示すことで、地域コミュニティーの力が引き出せるとしている。

 防災・景観コンサルティング事務所「ジェネスプランニング」(東上野)を営み、海外の災害復興にも携わる三舩さん。「大災害時に、行政は混乱する。町会の防災リーダーのような人に本を読んでもらい、心構えを持ってもらえたら」と話している。

     ◇ 

 三舩さんが代表を務める災害事例研究会は、出版記念シンポジウムを十四日午後六時二十分から、浅草文化観光センター(台東区雷門二)で開く。三舩さんのほか、ノンフィクション作家の柳田邦男さん、元ジャンボ機のパイロットの桑野偕紀(ともき)さんら、さまざまな防災・危機管理のプロが登壇。著書での提言などについて話し合う。

 参加費千円(著書代)。申し込み・問い合わせは、ジェネスプランニング=電03(6715)7801=へ。

 

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