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【東京】

世田谷「優れたドキュメンタリー映画を観る会」 活動20年、一区切り

20年の歩みを振り返る飯田さん(中央)と支えてきた人たち

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 映画を通じて共生社会を考えてもらおうと、世田谷区の市民グループが二十年間続けてきた「優れたドキュメンタリー映画を観(み)る会」が、十四〜二十日に下高井戸シネマで開く映画会で、活動に区切りを付ける。知的障害のある次男とともに活動してきた事務局長の飯田光代(てるよ)さん(65)は「子どもを取り巻く社会のあり方を問う作品を選んできた。来年からは活動を継いでくれる人にバトンタッチしたい」と語る。 (神谷円香)

 きっかけは、次男悠史(ゆうじ)さん(30)が経堂小学校四年で特別支援学級に通っていた時、PTAが開いた映画会で、てんかんと知的障害がある少女の記録映画「奈緒ちゃん」を上映したことだった。「普通学級の子にも見てほしい」と飯田さんが薦めた。保護者からも反響があり、「息子たちへの理解につながるのでは」と考え、活動を始めた。

 下高井戸シネマでの最初の映画会は、一九九九年。初めのころはプログラムの印刷も商店街の印刷機を使い、飯田さんの自宅兼事務局でチラシを折り込む作業を行った。

 悠史さんの介助者や地域の人らの協力を得て毎年、一週間で十作品ほどを上映。認知度が高まるにつれ「上映してほしい」という製作側の依頼も増えた。

 だが運営は実質一人。体力的な限界も感じ、「継いでくれる人を見つけて身を引こう」と考えた。

行きつけのたい焼き店で店員といつもの握手を交わす悠史さん(右)=いずれも世田谷区経堂で

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 悠史さんは今毎日、生活介護施設からの帰りに行きつけのたい焼き店で、店の人たちと大きな声であいさつを交わす。「少しずつ人との関わり合いができるようになった」。映画会を続けたことで、地域が悠史さんの存在を自然に受け入れてくれるようになったという。

 今年の上映作品は十五本。「奈緒ちゃん」の続編など、二十年やってきて思い入れのあるものも入れた。悠史さんの介助者でもあるミュージシャン谷ぐち順さん(49)が、音楽と介助の仕事を担う自身の日常を映したドキュメンタリーもある。十三日は前夜祭で「夜間もやってる保育園」上映とトークショーがある。問い合わせは下高井戸シネマ=電03(3328)1008=へ。

 

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