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【東京】

江戸前海苔 魅力伝え10年 大田「ふるさと館」で記念式典

来館者に海苔作りの歴史を解説する小山文大さん(右)=大田区の「大森海苔のふるさと館」で

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 江戸前海苔(のり)の一大産地だった歴史を伝える「大森 海苔のふるさと館」(大田区)が開館10周年を迎え15日、記念式典が行われた。松原忠義大田区長のあいさつや地元の和太鼓グループ「大元組(だいげんぐみ)」の演奏などがあり、約100人が参加した。

 同館は、生産者らが自主的に保存していた海苔作りの道具や資料をもとに、2008年に開館した。海苔を採るのに使った小舟「ベカブネ」や、冬の海で素手で行った収穫の際に着た作業着など、国指定の重要有形民俗文化財を含む約1000点を展示。海苔作りの体験イベントも実施し、これまでに87万人が来館した。

 この日は同館の小山文大(ふみひろ)さん(45)の展示紹介があり、「海の冷たさで手がしびれるので、『こべり』と呼ばれる(船に作り付けの)板に打ち付けて感覚を戻した」と解説。「子どもたちに海苔作りの歴史を知ってもらい地元に誇りを持ってもらえれば」と話した。

 東京湾に面した大森では江戸・享保年間(1716〜36年)ごろから海苔の漁や養殖が全国に先駆けて始まったとされ、質の高い「浅草海苔」の産地として知られた。だが高度成長期の埋め立て計画に応じるため漁業権を放棄せざるを得なくなり、1963年春に生産を中止。当時900軒の生産者がいたという。

 過酷な作業に耐え連綿と守ってきた地場産業を手放した苦難の歴史は、江東区との間で帰属が争われている東京湾の人工島「中央防波堤埋立地」の区側の主張の根拠ともなっている。

 企画展「写真でめぐる海辺の街の記憶」も7月16日まで開催中。問い合わせは=電03(5471)0333=へ。 (原尚子)

 

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