東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 4月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

希望の酒 共作 「銀河鉄道」が縁 松本零士さんラベル作製

岩手県矢巾町や吾妻嶺酒造店と日本酒を共作した山田直大さん。机の上や山田さんが手にしているのは、ラベルになった松本零士さんの原画=墨田区で

写真

 墨田区で音楽や食のイベントに携わる民間グループが、岩手県矢巾(やはば)町や県内の老舗酒蔵と連携し、都内では区内限定で売る吟醸酒「南昌山(なんしょうざん)」を共作した。岩手出身の童話作家・宮沢賢治(一八九六〜一九三三年)の「銀河鉄道の夜」の縁で、ラベルに漫画家・松本零士さん(80)描き下ろしの「銀河鉄道999(スリーナイン)」のイラストを使用。グループ、町、酒蔵−、三者それぞれの夢を乗せた「希望の日本酒」が完成した。(飯田克志)

 南昌山は盛岡市の南隣にある矢巾町のシンボル。賢治も登っており、「銀河鉄道の夜」の舞台のモデルとの説もある。町では、地域活性化を図り、町内で岩手県開発の酒米「ぎんおとめ」を栽培、この酒米での酒造りプロジェクトを、隣の紫波(しわ)町にある江戸時代創業の酒蔵「吾妻嶺(あづまみね)酒造店」と進めてきた。

 墨田区で「東京アート印刷所」を営み、グループの仲間でイベントを展開してきた山田直大(なおひろ)さん(47)、姉でライターの山田やすよさん(50)らは二年前、区内の飲食店を通じて、プロジェクトの関係者と知り合う。吾妻嶺酒造店は、十三代目の佐藤元(げん)さん(46)、杜氏(とうじ)で弟の小田中公(こう)さん(44)らが経営。東日本大震災で壁が倒壊するなど被災したが、資金面の問題で十分な修繕はできていなかった。

 区内のイベントで「墨田オリジナル」の酒を売るのが念願だった山田さんらは、東京で販売すれば酒蔵修繕の後押しになると考え、一緒に酒造りをすることに。田植えなどに矢巾町を訪れる一方、「銀河鉄道」ゆかりの酒とのコンセプトから、松本さんにラベルの絵を依頼、快諾を得た。

 出来上がったラベルは、999号と南昌山を背景に、観光名所のヒマワリ畑でヒロインのメーテルがほほ笑み、後ろで主人公の星野鉄郎が寝転がっている絵柄。二つの原画を組み合わせた。松本さんは「敷き詰められたヒマワリを描くのに本当に苦労したよ」と語ったという。

 佐藤さんは「南昌山はきれがあって、最後にこくを感じられる。墨田区の地酒と思って飲んでもらいたい」と語り、松本さんに感謝しきり。「東京アート印刷所」は錦糸町駅近くにあり、「駅周辺の飲食店で、墨田区限定の日本酒を楽しめるようにしたい」と山田さん姉弟は意気込む。

 四合瓶千八百十四円、一升瓶三千四百五十六円。問い合わせは東京アート印刷所=電03(5608)2581=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報