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【東京】

賢治の世界、命の大切さ込め 女優の林さんがひとり語り公演

新たな演出によるひとり語り公演に向け、リハーサルする林さん(右)=八王子市で

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 国内外で宮沢賢治作品のひとり語りを長年続けている女優の林洋子さん(87)=八王子市=による公演「雁(かり)の童子−ほとほとと いのちの扉 たたくもの−」が二十九日、八王子市本町の禅東院である。今年一月に心臓大動脈弁の手術を受けた林さんが「新しい命をいただいて生まれ変わった感謝を込めた」という新演出で、宮沢賢治の世界を表現する。 (萩原誠)

 林さんは「雁の童子」について「小さな泉のほとりで老人と若者の出会いから始まる。老人から語られる、雁の姿で天から落ち、地上で人の姿になった童子の物語で、この世の時空が裂け、始めなく終わりない広大な宇宙の果てしない世界が一瞬、見える不思議な作品」と解説。観客と心の交流ができるよう目線を合わせながらの公演にするといい、「一つひとつの命がどんなに大切か、それが互いに支え合ってつながっているということを感じ合いたい」と話す。

 俳優座養成所第一期卒の林さんは一九七〇年代、水俣病患者の前で水俣病に関する劇を上演したことをきっかけに「私って何だ、俳優って何なんだ」と考えるようになり、芝居ができなくなった。その後、インドを訪れ、観客と膝を交えるように演じる現地の宗教的大道芸の活動に、表現の原点を発見したという。帰国後に「宮沢賢治がピカッと私の中に飛び込んできた」といい、八〇年に宮沢賢治作品のひとり語り公演を始めた。これまでに千六百公演近く続けている。

 今年一月に手術を受けた後、二月初旬から稽古を始めた林さん。これまでシタールの弾き語りで演じていた「雁の童子」をチベット仏教の楽器などを使った新たな演出にした。「勇気づけて支えてくださった多くの皆さんに感謝の気持ちを込めた」と話す。楽器はピアニストの吉村安見子さん(56)が演じる。

 二十九日は昼公演(午後一時開演)と、夕公演(午後四時半開演)の二回。各回百人で要予約。チケットは大人二千円(当日は大人のみ二千二百円)、小・中学生八百円、高校生以上の学生千円。チケットの申し込み、問い合わせは林さん=電090(6567)1183=へ。

 

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