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【東京】

りんごの古木に魅せられ 日野の画家・阿部さん 港区で個展

樹齢109年のりんごの木の作品と阿部澤さん=港区で

写真

 東北地方に残る数少ないりんごの古木を描く画家、阿部澤(たく)さん(57)の個展「続・老いたるりんごの物語」が、港区芝公園の東邦アートで開かれている。

 阿部さんは日野市在住。絵が好きで、独学で油絵を学んだ。二〇〇〇年、青森県津軽地方のりんご園を訪ね、農家の人が長年手掛けてきた冬の剪定(せんてい)や仕立て方から生まれた曲がった特異な樹形に魅(み)せられた。

 木の寿命は四十〜六十年ほどだが、厳しい風雪に耐えて百年前後生きるものもある。そんな老樹たちを探して「肖像画」を描き、農場主や品種、胴回り、樹齢などを記録してきた。

 阿部さんは「ほかの果樹では見ることのできない姿形を初めて見た時は驚いた。描いた木の多くは、朽ちたり病害や雪害などで既に存在しない」と話す。

 同じテーマの個展は一一年以来七年ぶり。今回は十六点を展示している。青森県五戸町で太い幹が地をはう竜のように伸びる樹齢百九年のフジをはじめ、青森市浪岡で初冬の雪に覆われた真っ赤な実、山形県朝日町で春に白い花がこぼれるように咲く紅玉、秋田県横手市の胴回り二・四二メートルの木もある。

 阿部さんは「人の営みと風土、りんごが生み出した生命の芸術の力強さを感じていただけたら」と語る。

 展示に合わせ〇六年以降に取材した二十二作品を収めた図録を作製した。入場無料で、二十八日まで。問い合わせは、東邦アート=電03(5733)5377=へ。 (野呂法夫)

 

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