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【東京】

狛江市長が辞職表明 セクハラ認めず募る不満

記者会見を終え引き揚げる狛江市の高橋都彦市長=同市役所で

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 疑惑が浮上してから三カ月近くにわたり、自らのセクハラ行為を否定してきた狛江市の高橋都彦(くにひこ)市長(66)が二十三日、「市政をこれ以上混乱させないため」として辞職を表明した。市幹部は、辞職により市政の停滞が解消に向かうことを期待するが、セクハラ行為を明確に認めない市長への不満は市議会や市民の間でくすぶり続けている。 (鈴木貴彦、栗原淳)

 午前十時からの高橋市長の記者会見に先立ち、市役所では幹部職員による庁議が開かれた。市長は「私の認識とは開きがあるが、相手がそう(セクハラと)受け取っている以上、謝らないといけない」と述べ、辞職の意向を伝えたという。

 職員への再調査で市長によるセクハラ行為を認め、辞職を迫ってきた水野穣(みのる)副市長は、庁議の後の取材に「セクハラを認めなかったのは残念だが、一定の誠意は見せた」と語った。石森準一参与も「よくぞ辞めてくれた」と、安堵(あんど)の表情がうかがえた。

 トップがセクハラ問題への対応に追われてきたことで、市政の停滞は否めない。市長辞職後は、副市長が職務代理者として市政運営を担い、再発防止などに取り組むことになる。六月議会も控えており、副市長は「市政に誠実に向き合っていく」と語った。

◆市議会の反応 辞職は当然/有権者に申し訳ない

 市長のセクハラ疑惑を追及してきた共産党市議団は「遅きに失したとはいえ、辞職は当然。しかし、具体的な行為を認めようとしていない。市長は素直に認め、市民に謝罪を」との声明を出した。民進党、生活者ネット、社民党など党派を超えて疑惑をただしてきた六人の女性市議からは「この共闘の経験を、来るべき市長選に生かしたい」という声が聞かれた。

 一方、市長与党の自民党の篠浩司市議は辞職の表明に「選挙で支援いただいた有権者に申し訳ない」と言葉少な。この問題では、野党会派から議会での追及が甘いと批判されてきたが、今後の自民会派の対応は「考えがまとまっていない」と明言を避けた。

 ただ市職員へのセクハラ被害防止策は、市長ら特別職が処罰対象となっていない現行規則を改めるように準備を進めている、と強調した。

◆市民グループ「第三者委で真相明らかに」

 「これだけセクハラの事実を突きつけられても認めようとせず、相手がそう言うから仕方なくという感じで信じられない」。市長の記者会見を聞いた市民グループ「高橋市長のセクハラ問題の幕引きを許さず、真相解明・再発防止へ実行委員会」の代表・周東(しゅうとう)三和子さんはあきれた様子。

 三月に問題が発覚して以来、街頭活動や署名運動に取り組んできた。集めた署名は三千七百二十三人分。辞職に追い込む結果にはつながったが、「市長は公の場で職員と市民に謝罪し、真相を明らかにすべきだ。何が起きたのかはっきりさせなければ、次に進めない。市民参加の第三者委員会で議論する必要がある」と厳しい表情で語った。

◆小池知事がコメント「セクハラ基準変化 気付く必要がある」

 狛江市の高橋市長が職員からセクハラ被害の訴えを受け、辞職を表明したことについて、小池百合子知事は二十三日、報道陣の取材に「セクハラやパワハラの基準がこのところ大きく変わっていることに気付く必要がある」と述べた。

 小池氏は「(認識の)ずれが最近のセクハラやパワハラ問題が続く状況を生んでいる」と指摘。「とにかく市政に混乱がないように努めてほしい」と付け加えた。市の調査で複数の女性職員へのセクハラ行為が確認されたが、高橋市長は二十三日、「今でもセクハラをしたという認識はない」と説明した。 

  (川田篤志)

 

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