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【東京】

150周年の蔵と会話しよう 豪アーティストが記念誌発行

蔵の壁に、外観を映し出す展示=台東区で

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 浅草でアートスペースとして使われている土蔵(台東区雷門2)が、江戸時代最後の年の1868年に建てられてから150周年となる。関東大震災、戦災を乗り越えた歴史を記録しようと、オーストラリア人アーティスト、写真家のリチャード・バイヤーズさん(43)が記念誌を発行するなど多彩な企画を展開している。 (井上幸一)

 江戸から明治にかけ、付近は隅田川で木材を運ぶ材木問屋が並んだ。蔵は材木店主が屋敷の内蔵として建てた。はりには、六八年の八月を示す「慶応四戊辰(ぼしん)年 八月吉日」と墨で書かれている。

 蔵の内部は二層構造で、一九九七年にオーナーの村守恵子さんが改修し、カフェを併設した「ギャラリー・エフ」をオープン。九八年に国の登録有形文化財となり、今年、台東区景観重要建造物に指定された。

 東日本大震災の復興支援で来日したバイヤーズさんは蔵の存在を知り、二〇一二年に宮城県石巻市の写真と線画を展示。以来、屋根など蔵の外観を撮影したポストカードを制作するなど、深く関わってきた。村守さんは「私たちと蔵への思いを共有していただいている」と話す。

 記念誌「蔵150年」は、蔵の歴史を日本語と英語で表記、蔵について記した新聞記事も転載した。空襲で焼かれて赤茶色になった瓦や、改修工事の写真などもふんだんに載せている。

 バイヤーズさんは、「多くの人がこの本を通じてギャラリーを知り、蔵のユニークな精神や歴史を経験するために浅草を訪れることを希望します」とコメントを寄せている。

オーストラリア人アーティストのリチャード・バイヤーズさん(ギャラリー・エフ提供)

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 蔵では十日まで、蔵と「会話」してもらおうと、声に反応して変化する照明装置をつるしたり、蔵の外観を壁に投影したりするバイヤーズさんの展示「スピーク・トゥ・ミー」を実施中。蔵を工作するバイヤーズさんのペーパークラフト(三百円)も置いている。

 入場無料。正午から午後七時。記念誌はギャラリー・エフ=電03(3841)0442=で千四百円で販売している。    

 

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