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【東京】

厳しい時代 生き抜いた知恵 戦時中の「代用品」 世田谷の平和資料館

柳で編んだ代用品のランドセルを手にする植井さん=世田谷区で

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 戦時中に金属や革製品の代わりに使われた陶器や木材製の「代用品」を集めた企画展が世田谷区池尻の平和資料館で開かれている。大田区の植井正さん(82)の半世紀にわたるコレクション。竹製かぶと、柳で編んだランドセルなど約40点が並び、知恵を絞って厳しい時代を生き抜いた当時の国民の姿、戦争の愚かさを伝えている。 (神谷円香)

 太平洋戦争中は兵器製造などに使う金属や革が不足し、日用品を国に供出しなければならなかった。それを補うため、庶民は鉄の釜を土釜で、お湯を入れて暖を取る湯たんぽを陶器で代用した。

 植井さんは次男だが兄が幼くして亡くなり、長男のようにして育った。親戚からは「代わり長男」と呼ばれた。戦後、不要となり、廃棄されていく代用品を自分と重ねて、「子ども心に自分の身代わりが捨てられるようでつらかった」。

 代用品は骨董(こっとう)品としても売られており、古美術商から情報を集めて買い求めるようになった。半世紀を費やし、生家に集めたコレクションは約千点に上る。

 一九九〇年代に瀬戸物の産地である愛知県瀬戸市の資料館が植井さんに協力を求めて代用品の企画展を開いた。これがきっかけで関心が高まり、各地の資料館から貸し出しを求める要望が増えた。

 企画展は七月二十二日まで、火曜休館。入場無料。二十四日午後二時からは植井さんの講演会がある。問い合わせは世田谷区立平和資料館=電03(3414)1530=へ。

 

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