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【東京】

DV被害女性らの居場所に 国立「夢ファーム」3年

DV被害を受けた女性たちの現状や支援について話す遠藤さん=国立市で

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 DVなどで居場所をなくした女性を支援する国立市のNPO法人「くにたち夢ファーム」が十二日、設立三年を迎えた。抑圧されていた女性たちが「自分らしく自立した生き方」ができるようになるまで、きめ細かく支援する取り組みで全国に知られる存在になっている。 (竹谷直子)

 DV被害者は一時的に保護され、その間に新しい生活の場所を探すのが一般的。しかし、今までの人間関係を捨て、加害者から隠れるように暮らすため、社会から孤立してしまうケースが多い。二〇一五年に夢ファームを設立した遠藤良子さん(68)は「生活を立て直す人の方が少数。(加害者の)夫の元に戻ってしまう人も少なくない」と話す。

 夢ファームは期限を設けず、DVや貧困、ハラスメントの被害を受けた女性らに住居の提供やその後の職探しまで支援の手を差し伸べる。賃貸住宅のオーナーと交渉して家賃を抑えてもらったり、女性の身元を伏せて賃貸契約を結んでもらったりすることもあるという。

 女性相談員らは、何かあれば二十四時間、いつでも駆け付ける。「生活ができるようになれば一丁上がりではない。人生はずっと続くのだから」と遠藤さん。居場所のない女性を孤立させないため、頼れる存在がいつも近くにいる重要性を強調した。

 一七年春、全国の女性支援団体や相談所にこうした取り組みを知らせるチラシを配布。その後、北海道から九州まで相談が寄せられるようになり、年間五十件ほどだった相談もこの一年間は約百件に倍増した。

 夫の暴力を受け、一歳の子どもと妊娠中に都内に逃げてきた女性もその一人。夢ファームのサポートで女児を出産し、現在は仕事に就いて資格取得も目指している。遠藤さんや相談員らに出会い「今が一番幸せ」という女性は、生まれた子を「人の前に立って引っ張っていくリーダーに育てたい」と話しているという。

 警察庁によると、昨年一年間に全国の警察に寄せられたDV被害の相談は七万件を初めて超え、DV防止法施行後では最多となった。遠藤さんは「なくなったら終わろうと考えていたが、終わらない」と話す。今後、居場所のないすべての女性への支援に加え、講演会やこども食堂、フードバンクなどの活動も続けていく。

 問い合わせは夢ファーム=電042(511)5812=へ。郵便口座(00110−1−730345)で活動資金の寄付も募っている。

 

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