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【東京】

太宰治の特別展始まる 三鷹での執筆、暮らしに迫る

三鷹時代の太宰治をテーマにした特別展。太宰の描いた油絵も展示=三鷹市で

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 作家の太宰治が亡くなって今年で70年。三鷹市美術ギャラリー(JR三鷹駅南口前)で16日から、特別展「太宰治 三鷹とともに〜太宰治没後70年〜」が始まった。三鷹での暮らしや執筆活動を中心に、太宰の文学と人物像に迫る。7月16日まで。 (鈴木貴彦)

 太宰治(一九〇九〜一九四八年)は、一九三九(昭和十四)年に甲府市から三鷹へ転居した。この時から玉川上水で入水自殺を遂げるまで、故郷・津軽に疎開した一時期を除く約七年半を三鷹で過ごした。特別展では、市の所蔵品や青森県の太宰治記念館などから借りた文学資料や太宰の愛用品など三百点以上を展示。

 このうち、太宰愛用の木製椅子(座面は布張り)は今回が初公開。一九三六年十一月〜翌年六月まで過ごした杉並区天沼にあった下宿「碧雲(へきうん)荘」で使っていたもので、当時、精神的にどん底の状態だった太宰はこの椅子に座り、「人間失格」の原型になったともいわれる作品「HUMAN LOST」を執筆した。

 このほか、太宰が旧制弘前高校時代の下宿先・藤田家で愛用していた卓上ランプや太宰が友人を描いた油絵も初公開された。三鷹時代に執筆した「斜陽」の直筆原稿や愛用の万年筆や黒いマント、三鷹の自宅で家族と過ごす写真など貴重な資料が並ぶ。

 学芸員の吉永麻美さんは「太宰は全百五十作品のうち約九十を三鷹で書いた。その意味で三鷹は創作の地。家族と住み、先輩後輩と交わり、自身と格闘しながら作家として生き抜いた場所。資料をたどりながら、あらためて人間太宰の魅力や苦悩を感じ取っていただければ」と話す。

 月曜休館(七月十六日は開館)。観覧時間は午前十時〜午後八時。観覧料は五百円。問い合わせは同ギャラリー=電0422(79)0033=へ。

 

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