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【東京】

同性愛暴露され転落死 一橋大アウティング訴訟 遺族支援者ら明大で集会

集会で報告する南和行弁護士=千代田区の明治大駿河台キャンパスで

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 一橋大(国立市)で二〇一五年、男子大学院生=当時(25)=が同性愛者であることを同級生に暴露された二カ月後に校舎から転落死し、学生の両親が大学を相手に訴訟を起こしていることに関し、支援者らによる報告集会が、千代田区の明治大駿河台キャンパスで開かれた。亡くなった学生の妹は「兄は戻ってきません。家族も含めてきちんと向き合わなければならない」などとメッセージを寄せた。 (奥野斐)

 訴状によると、学生は一五年六月、同級生約十人が参加するLINEのグループに、同性愛者であることを同級生の一人に書き込まれ、精神状態が不安定になった。学生は同八月、授業中にパニック発作を起こして転落死した。

 学生の両親は一六年、同級生と大学を相手に提訴。同級生とは和解が成立したが、適切な対応を取らなかったとして大学を訴えた訴訟は継続中で、大学側は「対応に落ち度はなかった」と主張している。今月二十五日に、大学側の証人尋問が予定されている。

 原告代理人の南和行弁護士は「暴露されてから亡くなるまでの二カ月間に学生は心身の不調に見舞われ、学内の相談室や担当教授らに相談していた。助けられるきっかけはいくつもあった」と強調した。

 今月十六日に行われた集会は「一橋大学アウティング事件 裁判経過報告と共に考える集い−大学への問いかけ」と題して、明治大現代中国研究所が主催。アウティングとは、性的指向(好きになる相手の性)などを本人の同意なく第三者に暴露することで、大学のある国立市では今年四月、アウティング禁止を明記した条例も施行された。筑波大など他大学でもガイドライン整備が進んでいる。

 自らもゲイ(男性同性愛者)で、集会を企画した明治大の鈴木賢教授は「大学の立ち位置が問われている裁判」と指摘。「真っ先に大学がやるべきことは、アウティングを受けたクラスメートと被害者の関係をもう一度作り直すことではなかったか」と話した。集会では、遺族からのビデオメッセージも紹介され、妹は「大学には、国立市や他大学がなぜ動いたのかを考えてもらいたい」と語った。

 

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