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【東京】

子ども食堂、喜ばれて1年 国立・海鮮料理の店「深川つり舟」

仲良くご飯を食べる子どもたち=国立市の「深川つり舟」で

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 JR国立駅近くの海鮮丼と天丼の店「深川つり舟」(国立市東一)が子ども食堂を始めて、二十三日で一年になった。店長の湊実さん(69)は「夏休みも遠慮しないで食べにおいで」と呼び掛けている。 (竹谷直子)

 同店は一九八九年に創業。銀座のすし店などで修業を積んだ湊さんが独立し、夫婦で店を構えた。丼からはみ出るほどのアナゴを二匹使った穴子天丼や、マグロやホタテなどをボリュームたっぷりに盛り付けた海鮮丼などが人気。ご飯とみそ汁はおかわり自由で、地元の学生を中心に愛されてきた。

 子ども食堂を始めたきっかけは「小学校で給食が取り合いになっている」というお客さんの一言。「子どもをおなかいっぱいにさせてやるのが大人の責務」と、無料で子どもに料理を振る舞うことを決意した。

 子ども食堂に行くことがいじめの対象になる場合もあると聞き、「親子で普通に食べに来るようにしたい」と、営業日の午前十一時〜午後二時、午後五〜七時に中学生以下は誰でも無料にした。家計が厳しい家では親も無料にすることもある。

 子ども食堂のメニューは、穴子天丼や海老天丼、ネギトロ丼と鶏の唐揚げのセットなど七種類で、アレルギーなどに合わせた変更にも応じているという。

来店した子どもや親たちの絵とメッセージが詰まった「思い出ノート」

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 「夏休みの一カ月だけのつもりだった」と湊さん。しかし、店に置いた「思い出ノート」に書かれた子どもや親の感謝の言葉を見て、やめられなくなった。始めたころは「ただで食べられる」と人が殺到し、経営を圧迫したこともあったが、続けているうちに募金箱に寄付をしてくれたり、鶏肉やキュウリなどが届けられたりするようになっているという。

 「優しい人、見てくれている人はたくさんいる」という湊さんには、東京の下町(江東区深川)で地域の大人みんなで育ててもらった記憶が残っている。「そのときの恩返しの意味もある。お店がなくなるまで続けていきたい」。日曜定休。問い合わせは同店=電042(576)9910=へ。

 

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