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【東京】

同時代の2人 作風を比較 荒川区で来月、吉村昭さんしのび「悠遠忌」

吉村昭記念文学館に移設された吉村昭氏の書斎=荒川区で

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 荒川区ゆかりの作家、吉村昭さん(1927〜2006年)をしのぶ「悠遠(ゆうえん)忌」(東京新聞後援)が8月4日、区内のアクト21ホール(東尾久5)で開かれる。全国のファンでつくる吉村昭研究会が命日の7月31日や、間近の週末に催してきた。今年は節目の10回目で、ほぼ同時代を生きた吉村さんと司馬遼太郎さん(1923〜96年)の歴史小説を比べ、作風の違いに迫る。 (井上幸一)

 吉村さんの「ふぉん・しいほるとの娘」は、幕末期を舞台に、ドイツ人医師のシーボルトと長崎の遊女との間に生まれたイネの生涯がテーマ。一方、司馬さんの「花神」は日本近代兵制の創始者、大村益次郎が主人公だが、要所要所にイネが登場する。

 悠遠忌では、研究会会長の桑原文明(ふみあき)さん(68)=愛媛県西条市=が講演。宇神幸男さんの新刊「幕末の女医 楠本イネ」を紹介しつつ、吉村さん、司馬さん、それぞれのイネの描写の違いを解説する。また、朗読家の田中泰子さんが二人の作品を朗読する。

 研究会の柳井正清さん(70)=千葉県八千代市=は「史実に忠実であることをモットーとした吉村作品と、エンターテインメント性があり、発想が豊かな司馬作品は両極端。比較すると面白い。いろんな議論ができれば」と来場を呼びかける。

 「戦艦武蔵」など、丹念な取材に基づいた記録文学で知られる吉村さんは、現在の荒川区東日暮里で生まれ、空襲で自宅が焼ける四五年まで区内で過ごした。

 昨年、区の複合施設「ゆいの森あらかわ」に記念文学館がオープン。作品が並べられ、書斎が再現されている。

 悠遠忌の名称は、吉村さんが生前好んだ言葉「悠遠」にちなんだ。十回目を迎えることに桑原会長は、「大衆的な認知度が低いのを歯がゆく思い、さまざまな角度から吉村文学にアプローチしてきた。会員は熟年の男性が主だが、女性の来場者も多い。さらに続けていきたいので、若い方に参加してもらえれば」と話している。

 入場料千円。先着百五十人。午後二時半〜四時半。問い合わせ、申し込みは研究会=電・ファクス0898(66)1556=、メールbunmei24jp@ybb.ne.jp=へ。

 

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