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【東京】

笑顔生まれる「おうち食堂」 江戸川区、スタートから1年

「おうち食堂」ボランティア(奥)の料理した食事を食べる母子(江戸川区提供)

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 保護者の病気や、仕事を掛け持つ多忙さなどで子どもの食事に困っている家庭に、ボランティアが出向いて食事を提供する「おうち食堂」。全国的にも珍しい事業を江戸川区が始めて1年になる。温かい食事が食べられるだけでなく、ボランティアとの交流で家庭に笑顔が生まれている。 (飯田克志)

 「おうち食堂」の試みは、昨年八月にスタート。ボランティアが食材の買い物から調理、後片付けまでを一貫して担う。週一回程度、一年に四十八回まで利用でき、子どもの食材費も区が負担。保護者が一緒に食べる場合は実費が必要となる。

 区内には、安価か無料で子どもらが食事のできる「こども食堂」が二十カ所ある。だが、区が二年前に実施した食に関するアンケートで、「周囲の目を気にして子ども食堂に行けない」といったケースを把握。それぞれの家庭で支援する「おうち食堂」を始めた。

 区は子ども関係の部署などの情報を基に、支援が必要と思われる家庭に積極的に利用を促している。現在は、親の一方が病気療養中や、ひとり親の家庭などの二十三世帯五十三人が利用。食事の他にも問題を抱えている場合があり、状況に応じて区職員らが同行して支援につなげている。

 区内で七月三十日にあった「ボランティア研修会」では、「おうち食堂」に関わるボランティアの女性たちが活動を報告。「関心のなかった子育てに父親が関わるようになった」「ふさぎがちな母親が私と一緒に食事をつくるようになった」「子どもに表情が出てきた」などと、家庭の前向きな変化を語った。

 区と連携して事業に取り組むNPO法人バディチーム(新宿区)によると、利用者からは「地域に気に掛けてくれる人がいてうれしい」「見守ってくれて心強い」といった感謝の声が聞かれるという。

 地域との関係が薄かったり、忙しかったりして、行政側の情報を知らない家庭が多いことから、担当する区児童女性課の野口千佳子課長は「おうち食堂をきっかけに支援につなげてきた」と一年を振り返る。その上で、「ボランティアに相談できるいい関係が予想以上に生まれている」と、家庭を孤立させない試みに手応えを感じている。

 

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